乙武洋匡氏が怒りの追加公約 公職選挙法の改正「必ず実現します」

都民ファーストの会代表・森村隆行氏(左)を取り囲む「つばさの党」メンバーと支持者たち(右から2人目が根本良輔氏)

カオス状態は収まるのか――。衆院東京15区補選(28日投開票)に無所属で立候補した作家の乙武洋匡氏(48)が22日に自身のXを更新。〝怒り〟の追加公約として「選挙の自由妨害罪」に関する「公職選挙法の改正」を掲げた。

同補選では立候補しているつばさの党の根本良輔氏の陣営が、他の候補者の街頭演説会に押しかけ、大音量で質問を浴びせる行為に出ている。各陣営は「選挙にならない」と悲鳴を上げている。

警察も出動する騒ぎとなっている中、乙武氏は「今の公職選挙法では、これを直ちに取り締まれないのが現実です。妨害行為をしているのが『候補者』である場合、公職選挙法のもと逆に保護されてしまっているのが現状です。通常であれば、現行犯で逮捕されてもおかしくない行為が、野放しで行われております」と窮状を訴え、「当選した暁には、速やかに『公職選挙法の改正』を提案し必ず実現します」と決意を語った。

呼応するかのように乙武氏を推薦している国民民主党の田中健衆院議員がこの日、衆院予算委員会でこの問題を取り上げ、岸田文雄首相は「何らかの対策が必要ではないか。選挙制度の根幹に関わる事柄として各党、各会派で議論するべき課題であると認識します」と応じた。

それでも乙武氏の声明に根本氏はXに「お前が逃げることがすべての元凶」とポストし、門前仲町駅前で予定していた乙武氏の街頭演説会に押しかけた。双方が言い合いの混乱となり、乙武氏の演説は中止となった。

この状況に乙武氏陣営で「都民ファーストの会」の森村隆行代表は根本氏からの質問に応じた。荒々しく言葉を浴びせる根本氏に森村氏は冷静に理路整然と回答。1時間ほどのやりとりで根本氏は「回答は納得していないが、答えてくれたことには感謝したい。重鎮の声が聴けて良かった。これがやりたい」と集まっていた支援者に呼びかけた。

森村氏も「候補者は身の安全と自分の主張をしっかり有権者にお届けする権利を確保したうえで選挙をやらないとみんなが選挙を嫌になってしまう」と訴えた。

他陣営との質疑応答が成立し、根本氏陣営の熱気も収まったかに見えたが、直後に参政党の街宣車を発見するや再び突撃していった…。

© 株式会社東京スポーツ新聞社