栃木2遺体事件 平山容疑者は事件の背景、兄貴分のことも知らない「部外者」の可能性

被害者・宝島さんのお店があった〝宝島ロード〟の様子

栃木・那須町の河川敷で16日に男女の焼損した遺体が見つかった事件で、死体損壊容疑で逮捕された建設業の平山綾拳容疑者(25)の車から血痕が見つかっていたことや事件の数日前、同容疑者が粘着テープやガソリン、携行缶を購入したことが22日、分かった。

遺体で見つかったのは東京・台東区の上野で14店舗の飲食店を営む宝島龍太郎さん(55)と、妻とみられる女性。手足が縛られ、顔は袋とテープで覆われ、死因は窒息死だった。

調べに対し、平山容疑者は「名前は言えないが、兄貴分に指示されて車を貸しただけ。宝島さんとは面識がない。殺害には関わっていない」と話している。〝兄貴分〟の指示役がいる可能性がある。警視庁と栃木県警の合同捜査本部は、他にも複数人が事件に関与したとみて調べており、謎なのは、なぜ複数人が事件に関与している中、平山容疑者だけが17日に出頭したのかだ。

元警察関係者は「宝島さんを誘い込む係、殺害係、遺棄係など役割分担されているのは、かなり計画された組織的犯行です。そのような犯行グループがあるとして、指示役が存在すると話すだけでも重大な裏切りで、本人や家族への報復がとんでもないことになります。それでも出頭したのは、平山容疑者は事件の背景も兄貴分のことも知らない部外者の可能性があります。借金チャラなどと引き換えに、急きょ雇われたのかもしれません」と語る。

宝島さんは中国から帰化し、コロナ禍以降、上野で急速に店舗を増やした。

「宝島さんが店舗を展開したのは、上野の隠れチャイナタウンで、古くから中国系が深く根付いている場所です。そこで宝島さんは新参者の上、客引きなどで多くのトラブルを抱えていたそうです。それでも店舗を広げられたのは、チャイナマフィアの後ろ盾をちらつかせていたからとされるが、実はウソだったことがバレて、トラブルとなった可能性もある」(同)

事件の鍵は〝兄貴分〟が握っているようだ。

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