東京都/築地市場跡地(中央区)、三井不グループが開発

築地市場(東京都中央区)が閉鎖してから5年半。東京都心部にある約19万平方メートルの跡地の再開発が動き出す。東京都は「築地地区まちづくり事業」の公募型プロポーザルで、事業予定者を三井不動産を代表企業とする11社グループに決めた。5万人が収容できる全天候型の施設を中心に、MICE(国際的なイベント)施設なども整備する。事業費には約9000億円を投じる。
グループ名は「ONE PARK×ONE TOWN」。三井不以外では▽トヨタ不動産▽読売新聞グループ本社▽鹿島▽清水建設▽大成建設▽竹中工務店▽日建設計▽パシフィックコンサルタンツ▽朝日新聞社▽トヨタ自動車-で構成する。プロポには2グループが応募した。
再開発の計画地は築地5、6(面積19万4679平方メートル)。建設や解体期間とは別に70年間の一般定期借地権を設定する。三井不を代表とするグループは年間約100億円の土地の賃借料を都に支払う予定だ。
19日に公表した同グループの提案では、大規模集客施設を跡地の中央部に建設。スポーツ大会のほかコンサート、展示会などでの使用を想定している。イベント開催時以外はコンコースの一部を開放し、都民がウオーキングやジョギングを楽しめるようにする。
大規模集客施設の隣に建設するMICE施設は、約1200人が収容できる大広間を創出。東京ビッグサイト(江東区)や東京国際フォーラム(千代田区)との一体運用により、大規模な国際複合イベントの開催が可能となる。
敷地東側の舟運利便施設には約1200人が入るシアターホールを設ける。文化や芸術の発信拠点として活用する。
今後はまちづくり計画と整備、運営などの条件を規定した基本協定を年度末に結び、2025年度にシアターホールの北側でフードホールなどにぎわいを創出する仮設施設の建設に先行着手。26年度末に定期借地権設定契約を締結する。32年度にはシアターホールの北側に建てるオフィス棟以外の工事を完了。38年度に全ての工事を終える計画だ。

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