能登半島地震/岸田文雄首相、復興基金の設置進める・予備費追加支出も近く決定

岸田文雄首相は22日の衆院予算委員会で能登半島地震に関する復興基金の設置について「被災地の被害状況を踏まえ、熊本地震の際のスケジュールも参考にしながら、設置の取り組みを進めていく」と述べた。復旧・復興の加速化に向けた国の財政支援に当たって、補正予算編成よりも機動性に勝る予備費の活用で今後も対応していく考えを表明。週内にも第4弾となる予備費の使用を決定する。
公明党の赤羽一嘉議員などの質問に答えた。赤羽氏は「災害規模の大きさや地域特性もあり、石川県が自由に使える相当規模の復興基金の造成は喫緊の課題」と主張。本来は自己負担となる民地内の水道配管の修理など、国の支援措置で救済できない部分の手当てを厚くする必要性を説いた。
岸田首相は復興基金が国庫補助を補い、国の支援措置の「すき間」にある事業に充てることを目的とした例外的な仕組みと説明。「まずは国による支援策をスピード感を持って、より充実させ実施していくことが第一」と強調しつつ、現地の被害状況や支援の対応状況の見極めを前提に、復興基金の設置に前向きな姿勢を示した。具体的な使途は設置団体の石川県が判断主体となるが「こうした点を含めて総務省で検討を進める」とした。
政府は発災後、復旧・復興の財源として3回の予備費の使用を決定。被災したインフラ施設の復旧事業の権限代行などを中心に計2767億円の財政措置に当たった。

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