「G」駆除のプロが教える「ゴキブリを出現させない家作り」 オススメの対策アイテムと室内の要注意場所

「ゴキブリを出現させない家作り」を目指す!  画像はphotolibrary

徐々に暖かくなり、日中は汗ばむことも少なくない今日この頃。そんな時期になると、部屋の暗がりからスッと出現するのは、黒光りしながらカサカサと動く素早い奴。ゴキブリである。

新生活も始まるこのシーズン、初めての1人暮らしという人も少なくないだろう。もしかすると、すでに新しい自宅で、ゴキブリと初対面を果たしたという人もいるかもしれない。

誰もが遭遇したくないと願うであろうゴキブリ。そこで重要なのは「ゴキブリが出現しない家作り」だろう。だが、そのためには何をすればいいのか――弊サイトは、今までに700件以上のゴキブリ駆除を手掛けてきたアースウェル代表取締役の大久保柾幸さんに話を聞いた。

大久保さんがゴキブリが出ない家作りを進める上で、オススメするのは「食毒剤の使用」だと言う。

ホームセンターに出向けば、ゴキブリ対策用の食毒剤として『コンバット』や『ブラックキャップ』といった商品が棚には並ぶ。ゴキブリが一度口にすればコロリとあの世へ逝ってしまう商品だが、どのように使用するのが良いのだろうか。

「ゴキブリは暗くて狭いところが大好き。引っ越し前の方や家にあまり物がないという人は一度、備え付けの引き出しなどを取り出して、そこの奥に食毒剤を置くのが良いでしょう」(大久保さん)

他にも押し入れや玄関の靴箱の中なども、ゴキブリにとっては狭くて暗いことから格好の棲家。この辺に食毒剤を置くのも良いそうだ。

「キッチンのシンクや手洗い場も、ゴキブリが生きていくのに不可欠な水が溜まっている上に、隙間もいっぱいあることからゴキブリの大好物。シンクの裏にあるスペースへと食毒剤を置くのも効果的です」(前同)

一方で、ゴキブリ退治の代表グッズと言えば、多くの人の頭に浮かぶのはバルサンだろう。有名商品なだけに、効果は抜群と思ってしまうのだが……。大久保さんがバルサンに関して話す。

「バルサンは効果が一時的なんですよ。今いるゴキブリを退治するのには、確かに効果的。しかし、ゴキブリが卵を産んだりしていた場合、卵へまでバルサンの煙の効果はない。また、バルサンを焚いた直後に室内へと入ってきたゴキブリへの効果もありません。私が、食毒剤のほうがゴキブリを出現させない家作りに向いていると考える理由です」(同)

■ゴキブリは「食毒剤」に吸い寄せられないのか?

ゴキブリ退治のプロである前出の大久保さんが「ゴキブリを出現させない家作りには効果抜群」と話す食毒剤。しかし、食毒剤を室内に置いておくと、ゴキブリはそれを食べに室内をウロつくことになるのでは? 生命力の強いゴキブリのこと、一軒家ならまだしもマンションなどの集合住宅では、隣室から食毒剤を食べにのそのそとやってくる恐れはないのだろうか? その点を大久保さんに尋ねると、

「通常、ゴキブリがエサを感知できるのは1メートル以内。室外からエサを認識することはできません。ですから、食毒剤を室内に置いたからと、それにおびき寄せられて室内に大量のゴキブリが発生するなんてことはないですね」(大久保さん)

とのこと。そんななか大久保さんはさらに、ゴキブリが出ない家作りをするためには「より重要なポイントがある」と話す。

「整理整頓が何より大切です。物を床に直置きすると、床と直置きをした物との間に5ミリ〜1センチの隙間が生じます。そこがゴキブリの隠れ家となることも……。家庭内の整理整頓が何より大切な理由ですね」(前同)

クローゼットの中の整理にも気をつけたいという。

「クローゼットの中に重ねて服を置くのではなく、積み重ねられるようなコンテナボックスに服を入れて整理するのが良いでしょう。クローゼットの中に服をぐちゃっと重ねて置けば、その隙間はゴキブリにとって住み心地の良い場所になりますからね」(同)

水回りの整理整頓も欠かせないという。

「ゴキブリも生物ですから、生きていくのに水も必要ですし、食事だってします。台所の排水溝は生ゴミが溜まっていますし、水もある。それこそ格好の生活場所。排水溝はネットで包んで、そこに溜まったゴミは毎日交換。1日の終わりには熱湯をかけて清潔さを保つと良いでしょう」(同)

ゴキブリが出ない家作りには、日々の地道な努力が欠かせないようだ。

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