「川崎の町名」改訂版発行 日本地名研究所が編集 川崎市多摩区・川崎市麻生区

33年ぶりに編集された改訂版

川崎市は33年ぶりに『川崎の町名』の改訂版を発行した。

市は1964年以降、住居表示に関する整備を進めてきた。新たな名称への変更に伴い、古い歴史を持つ町名が失われる地域があることから市は、町名の保存、現在の町区域や町名の由来を明らかにすることなどを目的として、91年3月に初版を発行した。

初版で編集に携わった「日本地名研究所」(高津区/金田久璋所長)が、今回の改訂版も編集した。同研究所は、地名を通して地域の自然や歴史文化を正しく後世に伝えようと81年に川崎区で発足。全国の地名研究会の中心的役割を担っている。今回、40人近いボランティアとともに、旧版の読み込み作業や地域を歩いて再調査を行い改訂版を完成させたという。

改訂版はB5判395頁。巻頭では「川崎市のなりたちと地名」と題し、市域の歴史を紹介。加えて、各区のなりたちや町名の沿革沿革、由来なども記されている。

多摩区内の町村名変更は、1991年11月に住居表示により「上布田」と「下布田」が「布田」にまとめられたのと、「中野島地区」に「中野島1丁目〜6丁目」ができたのが最後。麻生区では2021年11月に岡上地区に「岡上1丁目〜6丁目」が誕生している。

市は各区役所や出張所、各行政サービスコーナー、図書館、市民館などで、改定版を閲覧できるよう配架を進めている。川崎市役所本庁舎復元棟2階にあるかわさき情報プラザでは3700円(税込)で販売中。問い合わせは市民文化局市民文化振興室【電話】044・200・2122。

企画展も

改訂版の発行を記念して企画展「川崎の地名〜地名を通して、市民と共に〜」が4月27日(土)から6月12日(水)まで、「大山街道ふるさと館」(高津区)で行われる。詳細は同館ウェブサイト。

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