ドイツ、中国に軍事転用技術提供の疑いで3人逮捕 海軍強化の恐れ

Andrey Sychev Rachel More

[ベルリン 22日 ロイター] - ドイツ当局は22日、中国の情報機関と連携し軍事転用が可能な技術情報を中国に提供した疑いで、ドイツ人3人を逮捕したと発表した。海軍の強化につながる恐れがあるとしている。

ドイツ検察当局によると、逮捕されたのはデュッセルドルフで会社を経営する夫婦と、中国の情報機関である国家安全省(MSS)職員のエージェントとされる人物。

夫婦は自らが経営する会社を通してドイツの大学と協力協定を締結し、軍艦などの船舶エンジンに使用できる機械部品についてMSS向けの調査を準備するなどした疑いがある。このほか、容疑者らはMSSの代理としてドイツで特殊レーザー装置を購入し、許可なく中国に輸出した疑いが持たれている。

検察当局によると、逮捕はドイツの国内情報機関が収集した情報に基づいて行われた。

ドイツのブッシュマン法相は「逮捕時、容疑者らは中国の海上戦闘力の拡大に役立つ可能性がある研究プロジェクトについてさらなる交渉を行っていた」と指摘。フェーザー内相は、中国のスパイ活動によるビジネス、産業、科学に対する重大な脅威を政府は監視していると述べた。

首都ベルリンの中国大使館は疑惑を否定。「スパイ容疑を利用して中国のイメージを政治的に操作し、名誉を傷つけるのをやめるよう求める」とした。

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