なぜ韓国戦の前半は低調だったのか。気になったのは川﨑と田中の配置【U-23アジア杯】

U-23日本代表は現地4月22日、カタール・ドーハで開催されているU-23アジアカップのグループステージ第3節で、U-23韓国代表と対戦。グループステージ突破を決めているチーム同士の戦いに0-1で敗れ、2位通過となった。

19日に行なわれたUAE戦から先発を7人入れ替えた日本は前半、主導権を握りながらも、守備時には5バックを敷く相手のブロックを崩せず。フィニッシュの数も少なく、前半はシュート3本のみ。そのうち2本はペナルティエリア外からのミドルで、それだけゴール前までボールを持ち込んでのチャンスは少なかった。

日本は4-3-3のシステムで、中盤の3枚はアンカーに川﨑颯太、インサイドハーフに田中聡と荒木遼太郎が入った。攻撃時、荒木は内野航太郎との2トップ気味のポジションをとることが多いので、ビルドアップで川﨑と田中の2人が最終ラインから前線への橋渡し役になる必要があった。

しかし、2人は韓国の執拗なマークに手を焼き、ボールを受けても潰されてしまい、効果的なパスを前に供給できず。徐々にリスクを回避した消極的なパスが目立ち、怖さがなかった。

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今回、インサイドハーフを務めた田中は本来、ボランチの選手で、持ち味は守備の強度。球際での強さも売りだ。一方でアンカーを務めた川﨑は、自チームの京都サンガF.C.で4-3-3のインサイドハーフを務めることもあり、ドリブルからの縦パスで好機を創出するなど、近年では攻撃にも磨きをかけている。

だとすれば、韓国戦の配置は田中がアンカーで川﨑がインサイドハーフを務めるほうがしっくりきたのではないか。韓国の速攻を田中が止め、川﨑と荒木が連係しながらラストパスをFWに送る。そういった形が韓国戦で見られれば良かった。

ただ日本は前半の低調なパフォーマンスとは打って変わって、後半は松木玖生や藤田譲瑠チマの投入によって息を吹き返し、何度も相手ゴールに迫った。再三のチャンスを決めきれなかった点は引き続き課題で、セットプレーからの失点も悔やまれるが、終盤にあれだけ迫力ある攻めを見せられたのは収穫と言っていいだろう。

準々決勝の相手は開催国のカタール。韓国戦で出た課題と収穫にしっかりと向き合い、次戦に挑みたい。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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