eスポーツを授業に 青池学園の富山2キャンパスに設備、対話力向上やリハビリ学習で活用

パソコンやモニターが並ぶ準備中の施設について説明する担当者=富山市一番町

 富山県内で専門学校や通信制高校を運営する学校法人・青池学園(福井県)は2024年度、富山市一番町のキャンパスにeスポーツの設備を整え、不登校の経験がある生徒のコミュニケーション能力や、作業療法士を目指す学生の技術力向上を目的とした授業をスタートさせる。eスポーツを取り入れた教育は、同学園としては福井県に続き2例目。

 施設は、同学園の通信制高校のサポート校「AOIKE高等学院富山キャンパス」と、富山リハビリテーション医療福祉大学校で活用する。パソコンとモニターを5台設置し、プロeスポーツ選手も愛用する競技用のマウスやキーボードなどをそろえた。

 通信制高校には、不登校やいじめに遭った経験を持つ生徒が少なくない。コミュニケーション能力向上の手段として、オンラインで他者とやりとりしたり、仲間と協力したりしてゲームを進めるeスポーツに着目した。同学園の広報担当者は「ゲームをツールに、生徒のコミュニケーション力や課題解決力の向上に結び付け、社会で活躍できるよう後押ししたい」と話す。

 富山リハビリテーション医療福祉大学校では、主に作業療法科の学生がeスポーツを使ったリハビリ方法を学ぶ。「太鼓の達人」などのリズムゲームは、神経まひがある患者に効果があるとされており、学生は患者の特性などを踏まえたプログラム作りを学習する。

 施設を監修した県eスポーツ連合の堺谷陽平代表はeスポーツを教育に取り入れることについて「オンラインのコミュニケーションにeスポーツは最適。県内高校のeスポーツ部と連携した取り組みも行えばよいのではないか」と語った。

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