娘の前でも平気で「たばこ」を吸う妻に困っています。副流煙でも「ぜんそく」になりますか?治療費はどれほどかかるのでしょうか?

ぜんそくとは

ぜんそくとは、気道に炎症が起こることで呼吸困難などの症状があらわれるアレルギー疾患です。

「全国小児気管支喘息有症率調査に関する研究」によると、ぜんそくの最近12ヶ月の期間有症率は、幼稚園児が19.9%、小学生が13.6%、中学生が9.6%、高校生が8.3%でした。小さな子どもほど、ぜんそくの症状が出やすいことが分かります。

ぜんそくの主な症状は、せき、たん、喘鳴(ぜんめい)、息苦しさなどです。喘鳴(ぜんめい)とは、呼吸時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と音の鳴る症状を指します。

受動喫煙はぜんそくを悪化させる恐れがある

独立行政法人環境再生保全機構の公式サイトによると、ぜんそくは「個体因子」と「環境因子」が複雑に絡み合って発症するとしています。個体因子は「遺伝子素因」や「アトピー素因」など、そして環境因子は「喫煙」や「アレルゲン」などです。

たばこには多くの有害物質が含まれているため、喫煙によって気管支の炎症が悪化するリスクがあります。受動喫煙は、自分が喫煙するのと同じくらい、ぜんそくを悪化させる要因とされています。子どもがぜんそく持ちの場合、症状を悪化させるリスクがあるため子どもの前ではたばこを吸わないほうがよいでしょう。

今までに一度もぜんそくの発作を起こしたことがない子どもでも注意が必要です。親が喫煙するからといって必ずしも子どもがぜんそくになるわけではないものの、発症のきっかけとなる可能性は十分にあります。

ここで注意してほしいのは、たばこの火が消された後も残留する化学物質を吸入する「三次喫煙」です。たばこの有害物質は服や髪などにも残留しており、それが汚染源になり三次喫煙が発生するとされています。子どもの前でたばこを吸わなくても、たばこを吸った後に触れ合うだけで、ぜんそくのリスクを高めてしまう可能性があります。

ぜんそくの治療費はどのくらい?

ぜんそく治療にかかる医療費は薬剤代も含めて月額4000~8000円程度といわれています。入院が必要な場合、医療費はさらに高額となるでしょう。

ただし、各自治体が実施する子ども医療費助成制度により、子どもの医療費は原則として無料となっています。子ども医療費助成制度の対象年齢は自治体によって異なるため要注意です。また、一部負担金が発生するケースもあるため、お住まいの自治体の公式ホームページなどを確認しておきましょう。

副流煙で子どものぜんそくが悪化する可能性はある

親が喫煙者だからといって、必ずしも子どもがぜんそくになるわけではありません。ただし、喫煙はぜんそくを悪化させる1つの要因として知られています。

受動喫煙もぜんそくを悪化させる要因となるため、子どもの前ではたばこを吸わないことを推奨します。また、子どもの前でたばこを吸わなくても、三次喫煙によってぜんそくを悪化させる可能性があるため注意しましょう。

出典

独立行政法人環境再生保全機構 成人ぜん息の基礎知識
厚生労働科学研究成果データベース 気管支喘息の有症率、ガイドラインの普及効果とQOLに関する全年齢全国調査に関する研究

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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