吉沢亮がつなぐ耳のきこえない世界ときこえる世界『ぼくが生きてる、ふたつの世界』特報映像

作家・エッセイストとして活躍する五十嵐大の実録ノンフィクション「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」を原作に、呉美保監督が、吉沢亮を主演に迎えて作り上げた映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が、9月に公開される。このほど、特報映像とティザービジュアルが披露された。

『そこのみにて光輝く』の監督・呉美保が、9年ぶりの長編作品のテーマに選んだのは、コーダ(Children of Deaf Adults/きこえない、またはきこえにくい親を持つ聴者の子供という意味)という生い立ちを踏まえて、社会的マイノリティに焦点を当てた執筆活動をする作家・エッセイストの五十嵐大による自伝的エッセイ「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」。 脚本を担当したのは、『ゴールド・ボーイ』、『正欲』等を手掛ける港岳彦。 そして、主演を務めるのは『キングダム』シリーズ、『東京リベンジャーズ』シリーズ等の話題作から、作家性の強い監督作等、幅広い作品に出演し、2025年には吉田修一原作、李相日監督『国宝』の公開が控える吉沢亮。本作では、耳のきこえない両親の元で育った息子・五十嵐大の心の軌跡を体現する。

特報映像では、橋梁(きょうりょう)を走る列車の車窓、駅のプラットフォームには、故郷・宮城から上京するための列車を待つ五十嵐大(吉沢亮)が映し出される。きこえる世界の彼が見つめているのは、きこえない世界の母の後ろ姿。そして大を乗せた列車が新緑のトンネルをぬけ、これから経験していくであろう“ふたつの世界”をつなぐかのように進んでいく…。

ティザービジュアルは、主人公・五十嵐大が故郷である宮城県から東京に向かう電車の中での一幕を切り取ったもの。車窓をまっすぐに見つめる瞳には故郷への思い、そして未来への期待が込められている。撮影をしたのは写真家・文筆家の齋藤陽道。原作「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」の表紙も撮影しており、本作のポスター写真撮影も担当することとなった。

新キャストも発表された。吉沢亮演じる五十嵐大のろう者の両親を演じるのは、母・明子役に忍足亜希子(おしだりあきこ)、父・陽介役に今井彰人。ろう者俳優として活躍する2人が溢れんばかりの息子への思いを見事に表現。忍足亜希子は「私は五十嵐大さんの家庭とは逆の境遇で、私は生まれつききこえない子供で、きこえる親から生まれ、きこえる世界で育ちました。自分は何者なのか孤独感や苦悩と葛藤しながらも、きこえる世界ときこえない世界を行き来するという、同じ立場だからこそ、とても共感しました。コーダの世界をひとりでも多く知ってもらえる良い機会になれば見方も変わると思います」とコメント。さらに、ユースケ・サンタマリア、烏丸せつこ、でんでんなど個性豊かな俳優陣が脇を固める。

『ぼくが生きてる、ふたつの世界』
2024年9月 新宿ピカデリー他全国ロードショー
監督:呉美保
原作:五十嵐大「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」
脚本:港岳彦
出演:吉沢亮 忍足亜希子 今井彰人 ユースケ・サンタマリア 烏丸せつこ でんでん
配給:ギャガ

【ストーリー】 宮城県の小さな港町、耳のきこえない両親のもとで愛されて育った五十嵐大。幼い頃から母の“通訳”をすることも“ふつう”の楽しい日常だった。しかし次第に、周りから特別視されることに戸惑い、苛立ち、母の明るささえ疎ましくなる。心を持て余したまま20歳になり、逃げるように東京へ旅立つが…。

©五十嵐大/幻冬舎 ©2024「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会

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