農作物発送の記録なし 「献上桃」詐欺、福島県警捜査員ら証言

 宮内庁関係者を名乗り、皇室への献上名目で福島市や茨城県の農家からモモなどの農産物をだまし取ったなどとして、詐欺や偽造有印公文書行使などの罪に問われた東京都練馬区、農業園芸コンサルタントの男(75)の第4回公判は22日、福島地裁(島田環裁判長)で開かれた。証人尋問で、事件を担当した県警の捜査員らが「(男が)宮内庁に農作物を発送した記録はなかった」と証言した。

 県警のほか、茨城県警捜査員の証人尋問も行われた。男はこれまでの捜査段階や公判で、農家から受け取った農作物を東京都や埼玉県から宮内庁などに発送したと供述している。証人尋問で、男が発送したとする日時や発送元などを宅配会社のシステムで調べた福島県警の捜査員は「捜査員3人で繰り返し確認したが(被告の)伝票は見当たらず、発送の事実はなかった」とした。

 次回公判は5月27日午後1時半から、宮内庁関係者の証人尋問を行う予定。

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