福島大「リケジョ枠」新設 25年春新入生から、継続的に人材輩出

 福島大は来春の新入生を対象とした2025年度入試から、共生システム理工学類の総合型選抜(旧AO入試)に女性を対象とする「理系教育女性人材育成枠」を新設する。募集定員32人のうち8人を女性枠に設定。理系分野の女性比率を高めることで、多方面で活躍できる女性人材を継続的に輩出する狙い。試験日程などは7月ごろ公表する。

 同大が22日、女性枠新設を盛り込んだ入試方法の改訂版を公表した。女性枠は、大学入学共通テストの成績を合否判定に用いない総合型選抜に設ける。英語力や高校在学中の「科学に関する探索的活動」などを出願要件とし、志願理由書や出願書類を総合的に評価する1次試験と、模擬授業に関する課題リポートや面接の2次試験で選考する。2次試験では探究力や思考の柔軟性、志願動機などについても評価対象とする。総合型選抜の一般枠(定員24人)との併願も可能で両方合格した場合は女性枠での取り扱いとする。

 経済協力開発機構(OECD)の調査では、大学など高等教育機関の卒業・修了生に占める女性の割合(21年時点)が日本は「自然科学・数学・統計学」分野で27%、「工学・製造・建築」で16%と、いずれも加盟38カ国の中で最下位。高校段階でも理工系学部に進学する女子生徒の割合は加盟国平均を大幅に下回っている。

 こうした状況を踏まえ、理工系学部で女子枠を設定する大学は全国的に増加している。同大は女性枠設置の意義について「理系分野の女性比率を高めるには、中高の理数教員など理系への女性進出が継続的に発揮されやすい場に人材が輩出されることや、民間企業で女性が活躍するロールモデルを増やすことが重要だ」としている。

 女子枠を巡り県内では会津大もコンピュータ理工学部の入試で要否を検討している。

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