オーストラリアの政府職員、熊本・阿蘇市の牧場など視察 農林水産省と情報交換

草原で放牧されているあか牛について説明を受けるオーストラリア政府の担当者ら=17日、阿蘇市

 農林水産省とオーストラリアの農業・漁業・林業省の担当職員らが17日、阿蘇市の牧場などを視察し、牛の放牧といった熊本の農業について学んだ。両国の畜産や酪農について情報交換し、牛肉や乳製品の貿易で相互の生産の現状などを知ろうと毎年持ち回りで開いている。

 今回は日本での視察先として、西日本一の生乳生産県で、黒毛和牛やあか牛など畜産も盛んな熊本を選んだ。オーストラリアの貿易や農業政策の担当者ら5人と農水省、九州農政局の職員が県酪連(らくのうマザーズ)の熊本工場と阿蘇を巡った。

 阿蘇市の狩尾牧場では、約60ヘクタールの草原で繁殖あか牛の放牧を見学。生産者が、11月まで続く放牧期間やGPSを使った管理手法などを説明した。中川利美組合長(75)は草地について質問を受け、「木が生えないよう野焼きし、草原を維持している」と地域特有の営農を解説した。

 視察は18日までで、県家畜市場(大津町)も訪問する。(馬場正広)

草原で放牧されているあか牛を視察するオーストラリア政府の担当者ら=17日、阿蘇市

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