打率.394のロッテ・佐藤都志也「去年に比べてミスショットが少なくなってきている」、「いい方向に向かっている」

◆ 村田コーチとの取り組み

ロッテの佐藤都志也は規定打席に届いていないが、打率.394と高打率をマークしている。

“打てる捕手”として期待されている佐藤は、昨季は8月に月間打率.333をマークしたが、好不調の波が大きく、打率.218、4本塁打22打点の成績だった。好不調の波があった原因に「僕の性格の問題と思います」とし、シーズン終了後に行われた秋季練習では「新たな試みもありますし、ずっと停滞していてもこれ以上求めなければいけないところがある。それはもっと自分の中でこの時期は、研究して自分に良いのか悪いのか、どういう影響が出るのかぐらいはわかるので、追求していきたい」と話していた。

一冬を越えて、2月の石垣島春季キャンプでは「今(石垣島春季キャンプ期間)は村田さんと一緒に取り組みながらやっている。それが良いインパクトの強さになっているんじゃないかなと思います」と手応え。練習試合では打率.273(22-6)、5打点の成績を残した。

オープン戦が始まってからも最初の2試合は、6打数3安打。3月9日の取材では、「やろうとしてやっていることを試している途中なので、いいとか悪いとかはわからないですけど、やろうとしていることが良い方向につながっているのは確かなことなので、はい」と話し、「今までやってきたこと違うことをやっているので、気持ち悪いと感じることもあるんですけど、でもそれが慣れていけば自分のモノになってくると思うので、そこをどれだけ自分のモノにできるかというところだと思います」と話していた。

「前に突っ込まないようにするための意識づけ、イメージの仕方、そこをちょっとやっているところです」。

◆ 打率.394

「来た球に対してという感じなので、どう打つどうのこうのよりもタイミングの取り方、ピッチャーによってタイミングの取り方が色々違うので、そこの見極めをしっかりというかというところですかね」。

シーズンが始まった時にどんな感じで打っていきたいかという質問に対して、このように話していた中で、開幕から安打を量産している。

2月から取り組んできた村田コーチとの取り組みに「やっと慣れてきた感じです」と話し、結果が出ていることについては「満足せず、自分のやるべきこと、やってきたことから外れないようにやるだけかなと思います」と、“継続”していく。具体的な取り組みについて「企業秘密です(笑)」とのことだが、高打率の要因は前に突っ込まないようにするための意識づけを徹底した結果、球数を投げさせたり、ボール球を見送ることができているという認識で良いのだろうかーー。

「そうだと思います。変に迎えに行ったりとかしていないので、球を呼び寄せて打つことができている」。

現時点で4割近い打率を残しているが、「それはたまたまヒットになっているだけ」と謙虚。「去年に比べてミスショットが少なくなってきている。変なポップフライが少ないので、そういった意味ではアプローチ、コンタクト率が去年より上がっているので、いい方向に向かっているんじゃないかなと思います」と好感触を掴む。

「結果が出ていることもそうなんですけど、これはもうキャンプからオープン戦、シーズン入ってからもできていることなので、そこはずっと継続してやっていきたい」。昨年は“何かを変えなきゃ”となり、打てなかった時期にタイミングの取り方、構えなど変えてしまい、取り組んできたこと継続できなかったが、今季は今取り組んでいることを継続する考え。

プロ入りから“打てる捕手”を掲げてきた中で、今季は開幕からバットで高い貢献度を示す。今季はシーズン通して安定した打撃成績を残し、誰もが認める“打てる捕手”になりたいところだ。

取材・文=岩下雄太

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