トルコ大統領がイラク訪問、安保協力や経済関係強化で合意

Timour Azhari Ece Toksabay Ahmed Rasheed

[バグダッド 22日 ロイター] - トルコのエルドアン大統領は訪問先のイラクで、同国北部で活動するトルコの非合法武装組織クルド労働者党(PKK)の対策で両国が協力し、新たな貿易回廊を通じて経済関係を強化することで合意した。両国関係は新たな段階に入ったと述べた。

トルコ首脳によるイラク訪問は2011年以来。トルコがPKKへの越境作戦を強化したことで両国関係は何年も緊張状態が続いていた。

エルドアン氏はイラクのスダニ首相との共同記者会見で「テロ組織であるPKKや、トルコを狙った活動に協力して取れる対策を話し合った」と述べた。

スダニ首相によると、両国は安全保障や貿易、エネルギーを網羅する戦略的枠組み協定と、イラクのニーズを考慮した水資源管理に関する10年間の協定締結に合意したという。

スダニ氏は、国境警備の強化や、テロ組織と協力している可能性のある非国家武装主体への対処で協力すると表明。PKKには言及しなかった。

トルコは今春に予定するPKK掃討作戦についてイラクの協力を求めている。

イラク首相府の声明によると、エルドアン氏の訪問中に文化・農業協力や教育、保健などの分野で20以上の覚書に署名。

両国はまた、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)も合わせた4カ国でイラクの道路・鉄道構築計画について合意文書を交わした。ペルシャ湾岸の港からトルコまで全長1200キロの距離を結んでイラクをアジア・欧州間の貿易の中継地とする狙いがある。

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