双葉の子ども思いトートバッグ制作 東京芸大学生 福島県会津坂下町での「風とロックCARAVAN」の会場で披露

双葉町の子どもに贈るトートバッグを披露する学生

 東京芸大美術学部デザイン科の1年生46人は、福島県双葉町の園児、児童、生徒に贈るトートバッグを制作した。20日に福島県会津坂下町で開かれた「風とロックCARAVAN福島」の会場で披露した。後日、福島民報社を通じて寄贈される。

 入学後初の課題として取り組んだ。双葉町の子どもたちは東京電力福島第1原発事故の影響で、事故後13年が経過した今も、いわき市の仮校舎で学んでいる。東京芸大の学生は子どもたちを思いながら、一人一人違ったバッグを仕上げた。

 このうち、多田ブレイダン千洋さんは、同町名物のだるまをデザインした。だるまには両目が入っていない。会ったことがない子どもへの贈り物に頭を悩ませたが、受け取った子どもがだるまに目を入れることで、「2人で作品を完成させる」というコンセプトにした。「映像で見た双葉町の桜がすごく美しかった。桜がきれいな時期に訪問してみたい」と語った。

 「風とロックCARAVAN福島」は同大で教授を務める箭内道彦さんが中心となって企画・運営しており、東京芸大生は研修旅行の一環として参加した。イベントでは双葉中3年の渡部咲さんと電話をつなぎ、交流する場面もあった。

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