「きずなスクール」スタート フラガールが震災体験伝える 福島県内各地の小学校で

パネルを使って諦めないことの大切さなどを伝えるマーラエさん(右)と渡辺さん

 福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズのフラガールが県内各地の小学校で出前授業する「きずなスクール」は22日、同市の藤原小で始まった。東日本大震災や東京電力福島第1原発事故、コロナ禍の経験を基に避難訓練や諦めない心の大切さを伝え、生き抜く力を育む。

 ダンシングチームキャプテンのマーラエ穂里さんとサブキャプテンの渡辺真由さんが訪れ、震災を経験していない3、4年生約50人が参加した。2人は震災やコロナ禍で休館を余儀なくされ、それでも諦めずに踊りを続けたエピソードを披露。マーラエさんは「つらいことがあっても希望を持ち続ければ良いことがある」と訴えた。最後は児童と一緒にフラダンスを踊り、ショーも披露した。

 いわき市出身の渡辺さんは震災時小学生で、体育館の天井の照明が落ちてきて恐怖したり、原発事故で地域から人がいなくなったりした当時の記憶を初めて公の場で語った。「避難訓練や何気ない日常の大切さを伝えられたと思う」と振り返った。4年生の佐藤羽奏(わかな)さん(9)は「震災の話が怖かった。家が川に近いので避難が大切だと思った」と話した。

 出前授業はハワイアンズを運営する常磐興産のフラガール養成校「常磐舞踊学院」の創立60周年記念事業。来年末まで各市町村1校を目安に巡る。

© 株式会社福島民報社