長崎県南島原市加津佐町の加津佐温泉神社の池が今春、ハート形に改修された。イノシシの眼をモチーフとし、開運招福の象徴として古来伝わる建築装飾「猪目(いのめ)」にあやかった。住民の新たな憩いの場になっている。
池は約150平方メートル。神社の「泉水」として長年親しまれてきたが、ヘドロが堆積し、底が見えないほど濁っていた。昨秋、地元の施工業者にしゅんせつ・改修工事を依頼。池の中にあった小島を外周約25メートルのハート形に改修し、3月中旬に完成した。
加津佐温泉神社などによると「猪目」はハート形に類似した日本伝統文様の一つ。寺社の仏具やくぎ隠しの金具などに使用されている。「災いを除き、福を招く」意が込められている。
神社の宮司で隣接する若木保育園の植木貴宗園長は「小島にはハート形の天然石も配置し、園児がニシキゴイ50匹を池に放流した。5月になれば芝桜が咲き、ハートがピンク色になる予定なので、見に来てほしい」と話した。