スイカの生産を全力支援 尾花沢市が「農学校」開校

「尾花沢すいか農学校」が開校し、意気込む入校生ら=尾花沢市役所

 夏スイカ生産日本一を誇る「尾花沢すいか」のブランド力強化に向け、尾花沢市は22日、新規就農者が栽培や農業経営の手法を体系的に学ぶ「尾花沢すいか農学校」を開校した。研修から就農初期までを手厚くサポートして担い手を確保し、移住・定住や生産量の安定化につなげる。

 7、8月に出荷される尾花沢すいかは、シャリ感と高い糖度で市場評価が年々高まっている。村山市と大石田町を含むJAみちのく村山の販売額は、2021年から3年連続で30億円を超えた。一方で担い手の高齢化と減少は進み、農林業センサスによると、個人を含む尾花沢市内の経営体数は10~20年の10年間で476から335と3割ほど減った。

 こうした現状を踏まえ、農学校では移住を含む同市内在住の48歳以下を対象に、栽培技術や農業経営の習得から就農後の営農・生活支援までを一体的に行う。就農の準備期間(1~2年)には、先進農家での基礎を学ぶ実習や月1、2回程度の座学を行う。就農初期段階(5年)ではアドバイザーによる営農支援のほか、空き家・離農情報などを提供し生活を支える。

 この日、同市役所で開校式が行われた。学長に就いた大山功・JAみちのく村山すいか生産部会長(69)が「全国の市場に選ばれるスイカを作っていこう」と呼びかけ、関東や東北などから集まった14組16人の入校生に学生証を手渡した。1期生を代表し、広島県出身の佐々見雄平さん(34)が「安定して生産できるよう、これまで農家が培ってきた技術を引き継いでいきたい」と決意を述べた。

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