パ・リーグ球団別週間MVP オリックス頓宮が上昇気配、ソフトバンク近藤はらしさ全開のOPS1.125

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頓宮裕真が今季初猛打賞など5試合で安打

4月も後半に入り、プロ野球では各チーム20試合前後を消化した。先週のパ・リーグでは、首位・ソフトバンクが1勝2敗2分けでやや足踏み。4勝1分けと負けなしだった日本ハムが1ゲーム差の2位に迫っている。一方、1勝4敗と元気のない西武は最下位に沈んでいる。

SPAIAでは4月16日から4月21日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。

wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。

先週はオリックスの頓宮裕真がリーグトップのwRAA4.1をマークした。19日のソフトバンク戦(PayPayドーム)で今季初の猛打賞を記録するなど先週6試合中5試合でヒットを放ち、22打数8安打の打率.364、2本塁打で9打点を荒稼ぎした。

一時は打率0割台に落ち込むなど開幕から不振が続いていたが、ここにきて調子は上向きに。昨季、自身初の規定打席に到達し、首位打者、ベストナインに輝いた主砲がようやく本領を発揮し始めた。

近藤健介が2本塁打&7四球

首位を走るソフトバンクでは、近藤健介がwRAA3.6でチームトップ。先週は5試合に出場して16打数4安打の打率.250だったが、2本塁打、5打点。さらに、2つの敬遠を含む7四球を選び、OPSは1.125をマークした。昨季の本塁打、打点、出塁率の三冠王が今季も持ち味を十二分に発揮している。

2位に浮上した日本ハムでは、アリエル・マルティネスがチームトップのwRAA2.5をマークした。5試合で3度のマルチ安打を記録するなど、20打数6安打の打率.300、2本塁打、4打点。開幕から低空飛行が続いていたが、底は脱した。首位浮上へ加入2年目の助っ人にはさらなる打棒爆発が期待される。

先週3勝3敗の5割で乗り切った楽天は、34歳ベテランの阿部寿樹がwRAA2.1でチームトップだった。6試合中4試合にスタメン出場し、計4安打ながら二塁打2本、三塁打1本と長打力を発揮。今季1号こそまだ出ていないが、いぶし銀の働きでチームの勝利に貢献している。

ポランコが2本塁打と好調キープ

ロッテではグレゴリー・ポランコが持ち前のパワー全開だ。16日の西武戦では同点2号ツーラン、19日の日本ハム戦では一時逆転となる3号ツーランを放ち、チームトップのwRAA1.6をマーク。昨季はシーズン序盤に苦しんだ大砲が、今季は開幕から好調をキープしている。

最下位に転落した西武では、岸潤一郎がwRAA1.0でチームトップ。19日の楽天戦で、先制の2号ソロを放つなどマルチ安打を記録し、先週唯一の白星に大きく貢献した。ただ、打線は5試合で10得点、チーム打率.214はリーグワーストと低調。先発防御率は1.76と抜群なだけに、得点力不足解消がチーム浮上のカギを握っている。

今季も「投高打低」の傾向にあるパ・リーグ。ここまでは投手陣にそこまで差がなく、打線が上向いたチームが上位を占めている。今季も少ない好機をいかにして得点に結びつけるかが重要なシーズンとなりそうだ。



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