淡路島の新鮮「生シラス」を丼で 卵、サワラ、タイ…トッピング多彩 島内61店が自慢メニューを一斉に

生シラスの乗った丼やのぼりを手にPRするプロジェクト関係者=淡路市岩屋

 つるつるとした食感が特徴の淡路島名物、生シラスを島内で一斉に提供する「淡路島の生しらすプロジェクト」が24日、始まる。飲食店や宿泊施設など61店が参加し、多彩なメニューがそろう。昨年の販売総数は前年を下回り、新型コロナウイルス禍前の60万食台に届かなかった。主催団体は「今年こそ60万食を目標に、第1次産業や地域の振興につなげる」と意気込む。(中村有沙)

 淡路島岩屋漁業協同組合と、北淡路地域にある観光施設などでつくる北淡路ブランド推進協議会が2011年から続けている。

 同プロジェクトの生シラスは、岩屋港で水揚げされたものだけが対象。漁船が着岸後、漁港近くの加工業者へ持ち込み、瞬間冷凍することで鮮度を保つ。

 各店、施設が提供するのは、ご飯に生シラスを乗せた丼が基本。トッピングは卵、ネギなどのシンプルなものもあれば、サワラやタイなどほかの魚介も一緒に盛ったメニューもあり、多彩なグルメが味わえる。

 期間中はほかに、土産用商品「淡路島の生しらす沖漬け」も一部の店舗で販売する。

 コロナ禍前の16~19年、販売総数は60万食台で推移していたが、感染拡大後は低迷。22年にはコロナ禍前の8割程度まで戻ったものの、昨年は書き入れ時の盆時期に台風が接近し、明石海峡大橋が通行止めとなったことなどから伸び悩み、前年比2.5%減の約57万5千食にとどまった。

 宿泊施設での販売数減も影響した。これまで団体旅行客向けの昼食や宴会後の夜食などで提供されてきたが、人手不足などにより、こうした機会を設けられなかった施設もあった。そのため、昨年の宿泊施設での販売数は試験的に取り組んだ11年を除き過去最低だった。

 今年は、昨年の状況も踏まえ、60万食を販売目標に掲げた。

 今月10日にあった提供店向けの説明会では、シラスの解凍方法などを共有。同漁協組合長の新居只吉さん(63)は「新鮮で安全なおいしい生シラスを届けたい」、同協議会の理事長を務める「淡海荘」(兵庫県淡路市岩屋)の大塩茂彰社長(72)は「ゴールデンウイークの予約は好調。昨年以上に来ていただけるのでは」と期待を込めた。

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