「本当なら小学校で勉強していたのに」 京都・亀岡の登校中の事故12年、遺族ら現場法要

事故への思いを語る遺族(23日午前8時50分、亀岡市篠町)

 京都府亀岡市で2012年、集団登校中の列に無免許運転の車が突っ込んで3人が死亡、7人が重軽傷を負った事故は23日、発生から12年となった。雨が降る中、遺族らが参列して現場で法要を営み、犠牲者を追悼。成長した姿を見ることができなかった悲しみや悔しさを吐露した。

 法要は発生時刻の午前8時前からあった。亡くなった小谷真緒さん=当時(7)=と、松村幸姫さん=同(26)=の遺影が祭壇に置かれ、読経の中、参列者が順番に焼香した。

 小谷さんの父・真樹さん(41)は、生きていれば20歳になる娘の姿を思い浮かべながら手を合わせた。だが「7歳の真緒で止まったままで、悔しいが成長した姿を想像できなかった」。幸姫さんはおなかの中にいた赤ちゃんも犠牲になり、父・中江美則さん(60)は「本当なら小学校で勉強して、運動場を走り回っていた。その声が聞こえないのが残念で苦しすぎる」と悔しさを口にした。

 事故は亀岡市篠町の府道王子並河線で、安詳小学校の児童らの列を、無免許運転で居眠りをした少年=当時(18)=が後ろからはねた。同小学校の小谷さんと横山奈緒さん=同(8)、付き添っていた松村さんが亡くなった。

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