障害者工賃、7%増目標 栃木県が達成計画 26年度までに月額2万円

県障害者工賃向上計画の目標値と平均工賃の実績

 県は22日までに、県内の障害者就労支援事業所で働く障害者の工賃を2026年度までに、段階的に引き上げて23年度平均月額工賃見込みの約7%増となる2万円にする目標を設定した。年度ごとの目標はこれまで未達成が続いているが、実績の伸び率などを踏まえて新たに掲げた。販路開拓などの取り組みを強化して目標達成を目指すとともに、障害者が地域で自立した生活を送れる環境づくりをさらに進める。

 県保健福祉部によると、県障害者工賃向上計画「とちぎナイスハートプラン」(6期、2024~26年度)に目標値を示した。対象となる事業所は、雇用契約に基づく就労ができない障害者に就労の機会を提供する「就労継続支援B型事業所」など。22年度末時点で、利用実績がある事業所は県内に235カ所ある。

 本県の月額平均障害者工賃を年度別にみると、18~22年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた20年度を除いて上昇している。一方で18年度1万6949円(目標は1万8千円)、22年度1万8292円(目標1万8500円)などいずれも目標に届いていないのが実情という。

 集計中の23年度も前年度を上回る見通しだが、同部は1万9千円の目標達成は厳しいとみている。コロナ禍で落ち込んだ需要の回復や、物価高騰に伴う買い控えなどが要因と分析している。

 新たな目標はこれまでの実績の伸び率を反映したほか、関係機関との取り組み強化などを見通して決定。24年度1万9千円、25年度1万9500円、26年度2万円と設定した。

 目標達成に向け、障害者施設で作られた商品の展示販売を行う「とちぎナイスハートバザール」の開催先拡大に取り組む。専門家と連携した魅力ある商品開発や、自治体による優先調達の推進などにも引き続き力を入れる。

 6期計画には、県や就労継続支援B型事業所、企業などをつなぐ共同受注窓口「とちぎセルプセンター」や市町の具体的な取り組みも示した。

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