訓練中の消防士の死亡事故 調査委員会の報告をうけ柏崎市が職員2人の懲戒処分を発表 《新潟》

柏崎市の海水浴場で訓練中の消防士が死亡した事故について、調査委員会は、消防本部の「安全管理体制が不十分だった」と結論づけ22日に報告書を公表しました。

報告書で消防組織の管理体制などの問題点が指摘されたことをうけ柏崎市は23日、職員の懲戒処分を発表しました。

管理監督責任を怠ったとして処分されたのは消防本部を統括する立場にあった部長級職員の50代男性と消防署を統括する立場にあった課長級職員の50代男性の2人です。

消防本部の部長級職員は減給10分の1(3か月間)、消防署の課長級職員は戒告の処分です。

この事故は去年10月、柏崎市消防本部の消防士が水難救助の訓練中に海で溺れ、死亡したものです。

これまで学識者や他の地域の消防が事故原因の調査を進め、4月22日、報告書を消防本部に提出しました。

報告書では、調査委員会は、陸上に監視員がいなかったことや安全管理に関する消防庁からの通知が訓練に反映されていなかったことを指摘。また原因のひとつとして「安全管理体制が不十分だった」としました。

また、死亡した消防士は体調不良を報告していましたが、上司の間で共有されていなかったということです。

懲戒処分について柏崎市の櫻井市長が以下のコメントを発表しています。

<柏崎市 櫻井市長>

「事故が発生し、結果としてかけがえのない命が失われてしまったことは、誠に遺憾であり重く受け止めております。 改めて故人のご冥福をお祈り申し上げるとともに、ご遺族の方にお悔やみを申し上げます。再びこのような事故を発生させることがないよう、安全管理体制等を見直し、組織的な管理体制の一層の強化に努めてまいります。

本来、市民の生命・ 安全を守るべき消防組織への信頼を著しく損ねる事態を招いたことについて、 市民の皆様にお詫び申し上げるとともに、信頼回復に全力で取り組んでまいります。 また、ご遺族に対しましては、引き続き誠心誠意対応してまいります」

柏崎市消防本部は、事故後、水難救助の訓練を中止していて、今後、報告書を踏まえ訓練のやり方を見直してから再開するということです。

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