「自分たちは何をしなければならないか」大宮U18 丹野友輔監督がハーフタイムで提示した言葉とは

大宮アルディージャU18

 4月21日、高円宮杯 JFA U−18サッカープレミアリーグ2024 EAST第3節で大宮アルディージャU18市立船橋に一方的に押されながらも2-0で今大会初勝利を挙げた。

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 苦しみながら、手にした完封勝利。特に前半、一気呵成に攻める市立船橋に大宮U18 は身体を張った守備で跳ね返した。しかし、その実はただ跳ね返しているだけ。文字通り、防戦一方。攻撃につながらず、たとえつながったとしても肝心なところでイージーなミスが目立った。

 このまま押し切られてもおかしくない試合展開。それでも完封勝利できた要因は第1、2節の反省が生かされていたからだ。第1節の川崎フロンターレU-18戦で大宮U18は首尾よく先制したものの、その後立て続けに失点。攻撃の時間を作れないまま1-4で敗れた。続く第2節の柏レイソルU-18戦では前節の反省を生かし、前半で2点先制したもののすぐに追いつかれさら後半に失点し3-2で敗戦。2試合連続で逆転負けを喫した。

 そして迎えた市立船橋戦。

 「自分たちは何をしなければならないかを共有して、試合に臨みました」と大宮U18 丹野友輔監督。何をしなければならないのか。そのヒントはハーフタイムにあった。丹野監督はその模様を振り返る。「ボールを奪う守備をしなければならないと伝えました。前半はただゴールを守るという守備に切り替わってしまいました。なので後半は、ボールを奪う守備にトライしていこうと伝えました。また前節の柏戦では後ろに重心がかかってしまったため、2点取ったあとに、守りにシフトチェンジしていくというか…気持ち面も含め、守りに入ってしまいました。そのためメンタル面でも守りに入らないように伝えました」。

 ただ懸命に守るのではなく、ボールを奪っていく攻撃的守備。これが後半に生かされた。

 数度の決定機を防いだGK1清水飛来(3年)は「最後は海瑠(DF4大西海瑠・3年)が身体を張った守備をしてくれ、ボランチの大智(MF6山中大智・3年)がDFラインに入って守備を支えてくれました」と守備の堅さを語るとともに「前線の野口や途中から入った堀内が(MF8堀内陸大・3年)が前からプレスをかけてくれました。ホントに全員のおかげです」と声を弾ませた。清水が示したように、後半、前線からの二度追い、三度追いといった執拗なプレスが功を奏した結果のあの2点目。シュート数をみると前半、市立船橋の9本に対して大宮4本だったが、後半はともに7本ずつと盛り返したことがわかる。攻撃的な守備。そして良い守備からの良い攻撃。これが大宮U18の目指すスタイルのひとつ。今回のように開始1分でのゴールはより守勢に回らざるを得ない状況となっても「失点しなかったのが良かった」と話した丹野監督は「今回、結果が出たという点では自信につながる試合でした」と完封勝利を総括した。

(文・写真=佐藤亮太)

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