弘前大、半導体設計人材の育成けん引へ 参画の東北地方の研究会、民間主導新組織に移行

 弘前大学や行政機関などの産学官が参画して、東北地方の半導体産業振興に向け活動してきた研究会が25日、民間主導の新組織に移行する。人材育成とサプライチェーン(供給網)整備を一層強化するのが狙い。弘大は、教員が録画方式のオンデマンド授業やインターンシップ事業に携わり、設計分野の人材の育成に力を入れる。

 22日、弘大の福田眞作学長が定例記者会見で説明した。

 25日に仙台市で新組織の設立総会を開く予定。「東北半導体・エレクトロニクスデザイン研究会」が「東北半導体・エレクトロニクスデザインコンソーシアム」に変わる。

 事務局は民間企業2社と、当面は東北経済産業局も一緒に務める。民間主導となることで、企業の自発的な活動が主となる。半導体産業は製造と設計の両分野があるが、弘大の教員は製造だけでなく、特に設計分野の教育の場をけん引していく。

 現在の研究会は今年1月末現在で東北地方中心の104の大学・高専、企業、行政機関で構成。2022年6月に仙台市を拠点に発足した。

 弘大大学院理工学研究科長・理工学部長の金本俊幾教授は東奥日報の取材に「これまで東北地方の半導体産業は製造主体で進んできたが、これからは設計部門が発展するよう、弘大として寄与したい」と話した。

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