「川崎の町名」改訂版発行 地域最新の歴史も紹介 川崎市川崎区・川崎市幸区

改訂版を手にPR

川崎市は33年ぶりに『川崎の町名』の改訂版を発行した。市制100周年を機に、地域の変遷などが分かり、自分たちの住む町に愛着を深めてもらいたいとしている。

市によると、古い歴史を持つ町名が失われつつあり、町名の保存と、現在の町区域や町名の由来を明らかにすることなどを目的に1991年に初版を発行。「日本地名研究所」(金田久璋所長)が編集に携わった。同研究所は、地名を通して地域の自然や歴史文化を正しく後世に伝えようと1981年に川崎区で発足。全国の地名研究会の中心的役割を担う。

今回、同研究所は40人近いボランティアとともに、旧版の読み込み作業や地域を歩いて再調査を行い改訂版を完成させたという。B5判、395頁で、巻頭には「川崎市のなりたちと地名」と題し、市域の歴史を紹介。町名は区ごとに取り上げられ、沿革や由来が記されている。町名では初版以降に住居表示が行われた新塚越、新川崎、新小倉などが盛り込まれている。既存の町名についても新たな地域の歴史や文化の内容を反映。例えば、小田栄一・二丁目の項目には、2016年に浜川崎線の新駅として誕生した小田栄駅についての記述がある。港町では、日本コロムビアや東芝鋼管などの工場が移転し、大師新道沿いに大型ショッピングセンターが進出し、多摩川沿いに高層マンションが複数建設されているといった内容が記される。

市内各所で閲覧可

市は現在、区役所や出張所、各行政サービスコーナー、図書館、市民館などで閲覧できるよう配架を進める。また、かわさき情報プラザで3700円(税込)で販売も行われている。問い合わせは、市民文化局市民文化振興室【電話】044・200・2122。

あゆみ知る企画展も

改訂版発行を記念し、同研究所のこれまでの歩みを紹介する企画展「川崎の地名〜地名を通して、市民とともに〜」が、4月27日(土)から6月12日(水)まで「大山街道ふるさと館」(高津区)で行われる。

© 株式会社タウンニュース社