60代の金融資産保有の割合
令和5年(2023年)に行われた金融広報中央委員会の家計の金融行動に関する世論調査によると、60代の金融資産の割合は表1の通りです。
表1
※金融広報中央委員会「各種分類別データ(令和5年)」を基に筆者作成
金融資産額には、貯蓄のほかに保険や株式、信託投資なども含まれており、3000万円以上の金融資産を保有している方もいる一方で、金融資産を全く保有していない方も2割程度存在していることが分かります。
老後資金不足を回避する方法
老後は病気やけがのリスクも高まり、突発的な支出が発生する可能性もあります。安定した老後生活を送るためにも、資産状況を確認し、資産状況からできる対策を行いましょう。この章では、定年前と定年後に分けて、老後資金対策について解説します。
定年前からできる対策
定年前からできる老後資金対策は以下の通りです。
__・収支を見直して貯蓄に回す
・民間の個人年金保険に加入する
・iDeCoやNISAなどの投資を行う__
現在、十分な貯蓄がない場合は、毎月の収支を確認して貯蓄に回せるお金がないか確認してみましょう。特に毎月かかる光熱費や通信量などの固定費を削減できれば、その分を貯蓄に充てられます。ある程度余剰資金がある方であれば、貯蓄も行いつつiDeCoやNISAなどの投資を行えば、さらに資産を増やせる可能性があります。
定年後からでもできる対策
定年後は年金を受給できますが、ある程度の金融資産がなければ、年金だけで安定した老後生活を送ることは難しいでしょう。定年後も定年前と同様に収支の見直しが重要です。
収支を見直して毎月2万円を節約できる場合、10年間で240万円貯蓄できます。また、体力に余裕があれば、再雇用や再就職、アルバイトなどを行い、年金以外の収入源を作っておくと安心できるでしょう。もし、身体的な事情で働けず、年金だけでの生活が難しい場合は、親族からの援助や生活保護なども検討することもよいかもしれません。
事前に対策することで老後貧乏を回避できる可能性がある
定年前、定年後にかかわらず、老後資金不足に備えて準備することが重要です。定年前であれば、定年後に必要な資金の概算を出して、収支の見直しから計画的な貯蓄や投資を行い、老後資金対策を行いましょう。また、定年後でも収支の見直しによる貯蓄や、働いて年金以外の安定した収入源を確保する対策が考えられます。老後資金に不安のある方は、できるところから対策を行ってみてください。
出典
金融広報中央委員会(参考)家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和5年調査結果 各種分類別データ(令和5年)表番号4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー