公園で泣き続ける赤ちゃんと暗い顔の母親 2時間以上同じ場所で座り続けている母親に声をかけると…「可愛いけど、しんどい…」

子育ては嬉しいことも多いですが、大変なことも同じくらいたくさんあります。特に子どもが小さい頃は、周りに迷惑になっていないか気になることも多かったという人もいるかもしれません。

今回紹介するのは「泣き続ける赤ちゃんを抱いたお母さんに声をかけたこと」についてのエピソードです。

イラスト:チッチ

公園のベンチに座っていた赤ちゃんとお母さん

アミ(仮名)さんが、子どもと散歩をしていたときのこと。遊具がなく、あまり人が集まらない小さな公園の脇を通ると、ベンチに生後半年くらいの女の子を抱いたお母さんが座っていることに気づきました。

赤ちゃんはずっと泣いています。お母さんは赤ちゃんをあやしもせず、暗い顔をしてうつむいたまま。お母さんの暗い顔が気になったアミさんでしたが、子どもとお散歩中だったため、そのまま帰宅しました。

その後再び公園へ行くと、先ほどのお母さんと赤ちゃんが同じ場所に座っていました。

最初に見かけたときからすでに2時間経っており、辺りも暗くなっています。赤ちゃんもまだ泣いており、さすがに気になったアミさんは、勇気を出して声をかけることに。

「赤ちゃん可愛いですね。女の子ですか?」声をかけたアミさんに、お母さんは驚いたように顔を上げると、ニコっと笑って「女の子です」と答えました。「とても可愛いですね。乳児の頃って可愛いけど、かなり大変ですよね。うちは夜泣きがヤバかったです」とアミさんが続けると 「本当に大変ですよね。すごい泣くからマンションに居づらくて…」とお母さんが言いました。

アミさんとお母さんは、その後軽く10分ほど雑談をして帰りました。帰り際に見たお母さんは、少し顔が明るくなったような気がしました。

必要以上に気にし過ぎない

そのときの出来事について、アミさんに話を聞きました。

ーなぜ公園に戻って話しかけたのでしょうか?
そのお母さんの顔があまりに暗く、思い詰めた感じで気になっていたからです。 寒い時期なのに2時間以上乳児を抱っこしてベンチに座っていたので、何か訳があるのかな?と思いました。私は人見知りで人に話しかけるのが苦手ですが、勇気を出してみました。私も我が子が乳児のとき、見知らぬ高齢女性や高齢男性、小さい子どもを連れたお母さんに「可愛いね~!本当に可愛いね~!お母さんも大変だろうけど、無理しちゃダメだよ」と散歩中に声をかけられて救われた経験があったからです。

ーあなたが取った行動で、そのお母さんはどういった反応をしていましたか?
そのお母さんは最初は急に話しかけられ、驚いていました。その後はニコニコ笑顔で嬉しそうに私の雑談に乗ってくれました。育児の大変さを2人で話して「可愛いけど、しんどいよね~!」と言い合っていました。帰るときにはお母さんの顔がスッキリしているように感じました。泣きじゃくっていた赤ちゃんもいつの間にか泣き止んですやすや眠っていました。結構激しく泣く赤ちゃんだったので、お母さんは赤ちゃんが寝てくれてほっとしていたようです。

ーその後、そのお母さんはどんな様子でしたか?
「久しぶりにパパ以外とお話できて嬉しかったです。またお会いできるといいですね」とお母さんに言ってもらえました。

ーご自身がした行動について、どう思いましたか?
私は人見知りで弱気のため、声をかけるか迷いましたが、お母さんが少しでも元気になってくれたなら声をかけてよかったと思っています。

ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
自分が他人からされて嬉しかったことはなるべく他人に還元しようと思っています。

ーこの経験を通して、同じような状況で悩む方にどのようなことを伝えたいですか?
乳児期は特にお母さんが孤独になりやすいです。赤ちゃんの泣き声を不快に思う人も少なくないので、余計にお母さんが周りに気を遣ってしまいます。それがお母さんを追い詰めていることもあると思います。誰しも周りに迷惑をかけながら生きているので、必要以上に気を遣う必要はないのでないかと思います。

赤ちゃんが泣き続けてしまうと、周りの目が気になってしまうこともあるでしょう。しかし、マイナスに捉える人ばかりではないので、あまり気にし過ぎないことも大事ですね。

※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。

ほ・とせなNEWS編集部

© 株式会社ゼネラルリンク