藤田俊太郎が演出を手がける『リア王の悲劇』木場勝己ら全キャスト発表

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2024年9月中旬から10月上旬に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場<ホール内特設会場>で上演される、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『リア王の悲劇』の全キャストが発表された。

『リア王』には、クォート版『リア王の物語』とフォーリオ版(シェイクスピアによる改訂版)『リア王の悲劇』があり、この折衷版が『リア王』として上演され続けてきたが、今回はこれまでの『リア王』とは異なる河合祥一郎による新訳のフォーリオ版が、日本で初めて舞台化される。演出は、今回初めてシェイクスピア作品に挑む藤田俊太郎が手がける。

今回の上演では、時代をキリスト教が入ってくる前の3世紀から5世紀のブリテンに設定。人間としての在り方や尊厳を見つめ直し、特に女性の登場人物たちに新たな視点や解釈を施しながら、リアの生き様を通して人間の本質に迫る。

タイトルロールのリア王を木場勝己、リア王の長女ゴネリルを水夏希、次女リーガンを森尾舞、グロスター伯爵の嫡子でありエドマンドの策略により追いやられるエドガーを土井ケイト、追放されながらも姿を変え支え続けるリア王の家臣・ケント伯爵を石母田史朗、グロスター伯爵の私生児であり、エドガーを陥れるエドマンドを章平、リア王の三女コーディーリアとリア王に寄り添い影となる道化の2役を原田真絢、リーガンの夫・コーンウォール公爵を新川將人、ゴネリルの夫・オールバニ公爵を二反田雅澄、ゴネリルの執事を塚本幸男、リア王の家臣であり裏切りの果てに苦悩するグロスター伯爵を伊原剛志が演じる。

■演出:藤田俊太郎 コメント(KAATの2024年度ラインアップ発表会より)

この度、長塚圭史芸術監督の掲げるシーズンテーマ「某」にて、『リア王の悲劇』の演出を担わせていただきます。時代を超えて支持され愛される文学の最高峰に挑戦できることを心から幸せに思っています。老い、寛容、分断、支配、ルーツ、愛。2024年に問うべき作品の主題を多義的に豊かに、リアの存在・言葉を通して創作したいと考えています。演出するにあたりフォーリオ版での上演、時代を戯曲の設定である3〜5世紀にしました。舞台であるブリテンに、キリスト教の考え方や概念が入る前の、人間としての在り方、尊厳と向き合いたいと思っています。台本の言葉が今を生きる私たちに多くのことを与えてくれると思います。魅力的な人物たち、特に女性の生き様に光を当て、この物語を通して、ジェンダーレスな物事の捉え方と、あらためて女性の価値観を見つめる“眼差し”を大事にしたいと考えています。素晴らしいキャストの皆様、プランナー、スタッフ、カンパニーの皆様と、シェイクスピア作品、演劇の喜びにあふれた仕事をし、お客様にお届けしたいと思っております。なにとぞ宜しくお願い致します。

■木場勝己 コメント

私は、決してシェイクスピア俳優ではありませんが、1988年の『丘の上のハムレットの馬鹿』に出演したのを皮切りに、『オセロー』『マクベス』『ヘンリー六世』等々、多くのシェイクスピア作品に出演させて頂きました。更にまた、秘法零番館最終公演『ひまわり』では、リア王の台詞を時々口にするアルバイトの父親でした。そして……1993年セゾン劇場公演の『リア王』では道化だった私が、今回は、『リア王の悲劇』のリア王に挑戦することになったというわけです。
75才を目前にしての大暴れ!
これまで誰も観たことのないリア王をご覧に入れたいと、無謀な夢を見ております。

■伊原剛志 コメント

実はシェイクスピア作品は20代前半の時に出演したロミオとジュリエットのパリス伯爵以来。
シェイクスピア作品は何だか難しいと思ってましたがようやく今の年齢になってシェイクスピアの台詞が少し身体に通ってくる様になったように感じます。
今回のグロスター伯爵という役を通してシェイクスピアの世界を存分に楽しんでいきたいと思います。

<公演情報>
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『リア王の悲劇』

作:W.シェイクスピア
翻訳:河合祥一郎
演出:藤田俊太郎

出演:
木場勝己
水夏希 森尾舞 土井ケイト 石母田史朗 章平 原田真絢
新川將人 二反田雅澄 塚本幸男
伊原剛志
稲岡良純 入手杏奈 加茂智里 河野顕斗 宮川安利 柳本璃音 山口ルツコ 渡辺翔

会場:KAAT神奈川芸術劇場<ホール内特設会場>
日程:2024年9月中旬~10月上旬

公式サイト:
https://www.kaat.jp/d/king_lear

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