五輪=WADAが法的措置示唆、中国23選手薬物陽性の不処分批判に

[トロント 22日 ロイター] - 世界反ドーピング機関(WADA)は22日、2021年の東京五輪前に中国の競泳選手23人がドーピング検査で陽性反応が出たものの出場が許可されたことを巡り、米国反ドーピング機関(USADA)からの批判に法的措置を取る構えを見せた。

この問題は、東京五輪開幕の数カ月前に中国の競泳選手らが心臓の薬に含まれるトリメタジジンの陽性反応を示したと複数メディアが報道。WADAは声明で、中国の反ドーピング機関から選手らが気付かずに薬物に汚染された状態で検体を提出したため陽性反応を示したと、2021年6月に通知されたと明らかにした。

その上で「最終的に、汚染がトリメタジジンの起源である可能性を否定する立場にはないと結論付けた」とし、「選手に過失や怠慢は認められない」と説明した。また外部専門家の助言に基づき、中国の決定にについてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に上訴することは正当ではないと判断したという。

この対応についてUSADAは不満を表し、陽性反応を隠ぺいした関係者らが「規則と法律の最大限の範囲で責任を負う」ことを望むとコメントした。

これに対してWADAも「政治的理由による隠ぺいを示唆する一部のコメントが真実とかけ離れているのは明らかだ」と反論。「慎重に検討し、あらゆる必要な措置を講じなければならない」とし、一連の対応を隠ぺい工作と呼ぶことには法的措置も辞さないという構えを示した。

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