岩手県、ILC取り組み強化へ 2025年が誘致判断の節目

 岩手県は22日、県庁で国際リニアコライダー(ILC)推進本部会議を開いた。欧州の次世代型巨大円形加速器「FCC」の実現可能性に関する調査の結論が出る2025年を誘致判断の節目と捉え、取り組みを強化すると決めた。

 米政府の科学諮問委員会(P5)が23年12月に公表した報告書で、FCCかILCのいずれかの計画が実現可能と判断された場合、米国が多額の支援をすべきとした内容を共有。7月に東京大で国際会議のリニアコライダー・ワークショップ(LCWS)が開かれることも紹介した。

 欧州の動向を踏まえながら、日本政府に早期の誘致判断を促すため、24年度は県内外の推進団体と連携したイベント開催や効果的なメディア展開で機運を高める。

 本部長の達増知事は「あらゆる機会に意義や価値を発信し、政府判断を後押しするため関係者と一体で国民的機運を盛り上げる。実現に向けた環境整備も着実に進める」と述べた。

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