アニメ「アリス・ギア・アイギス」、イベント「成子坂製作所(仮)定時株主総会」レポートアニメ化1周年記念で出演声優陣が勢揃い!

by 高島おしゃむ

【『アリス・ギア・アイギス Expansion』成子坂製作所(仮)定時株主総会】

4月14日 開催

昨年4月に放送されたテレビアニメ「アリス・ギア・アイギス Expansion」の1周年を記念して、リアルイベント「『アリス・ギア・アイギス Expansion』成子坂製作所(仮)定時株主総会」が4月14日に東京・有楽町にあるよみうりホールで開催された。

今回のイベントは豪華声優陣が登壇し、アニメ収録時のこぼれ話やアフレコ朗読劇、ミニライブなどバラエティ豊かな内容で繰り広げられていた。ちなみに、イベント自体は昼の部と夜の部の2回に分けて行われたのだが、今回はその中から昼の部の模様をレポートしていく。

こちらは来場者特典のひとつである「イベントオリジナルカット袋(A3サイズ)」
昼の部ver.に含まれていた3枚の複製原画とPRカード

出演声優陣が演じたキャラクターをパネルで紹介!

イベント冒頭、富田海良役で今回のMCを務める声優の儀武ゆう子さんが登場。今回出演する声優陣を、ひとりずつ呼び込んでいった。「拍手が大きくない出てきません。手が痛いとか痛くないとか関係ないよ、今日ここピークだから!」と会場を煽ったこともあり、それぞれの出演者が登壇するたびに、大きな拍手が沸き起こっていた。

今回イベントのMCを務めたのは、声優の儀武ゆう子さん

こうしたオフラインイベントとしてはめずらしく、あらかじめ募集ページにも記載されていたように「大きな発表はありません!」と儀武ゆう子さんが念を押すように宣言。あらためてタイトルコールを会場に訪れた観客を含む全員で行い、にぎやかな雰囲気のなかイベントがスタートした。

写真左2番目から、沼倉愛美さん(比良坂夜露/山野薫子役)、根本京里さん(高幡のどか役)、谷口夢奈さん(下落合桃歌役)、松井恵理子さん(四谷ゆみ役)、大和田仁美さん(蛙坂来弥役)、田澤茉純さん(宇佐元杏奈役)

最初に行われたコーナーは、「成子坂製作所(仮)へようこそ! キャラクター紹介!」だ。こちらでは、声優陣がそれぞれのキャラクターをスケッチブックに書いて紹介していくというトークセッションとなっていた。アニメの制作にも関係する部分でもあるため、ここで「アリス・ギア・アイギス Expansion」の花井宏和監督がゲストとして登壇した。

「アリス・ギア・アイギス Expansion」監督の花井宏和氏

比良坂夜露と山野薫子のふたりの声を演じた沼倉愛美さん。比良坂夜露については「大きな子」だと紹介した。すべてを受け入れる心を持っており、自分の信念は持ちつつも人に押しつけることなく大きな器の持ち主という意味だという。それを受けて花井監督は、比良坂夜露はまっすぐな性格だが、物語としては葛藤の部分が薄かったため難しかったと素直な感想を述べていた。

そのやりとりを隣で聞いていた根本京里さんは、比良坂夜露に対して「完璧な人間です! 器は太平洋。懐がマリアナ海溝です」と紹介。会場内からは大きな笑いが沸き起こっていた。沼倉愛美さんが演じたもうひとりの山野薫子については、「大きな人です!」と若干夜露と被った表現で紹介。ゲームのときはそこまで意識していなかったものの、アニメで演じたときに縁の下の力持ちであったことから、このように思ったそうだ。

沼倉愛美は自身が演じたふたりのキャラクターについて、どちらも「大きな」というイメージを持っていた

根本京里さんが演じた高幡のどか役は、「ふつーな子」だと紹介。これには、会場にはどよめきに近い笑いがおきていた。根本さんによると、心の声が出やすいだけで気持ち的には普通な子であることから、こう思ったのだという。また、演じている時はテンションが上がっており、坂道を転がり落ちているようだったと収録時の様子を振り返っていた。

花井監督も、高幡のどかについては「人間くさく普通の子」だと根本さんと同様にキャラクターを評価。ただ、コメディなので感情を膨らませていった結果、もらい事故で突拍子もないキャラクターに仕上がってしまったと評価していた。

高幡のどかの紹介時に変わったカットが選ばれていたが、花井監督によると絵コンテを描いているときに会心の1枚だったそうだ

谷口夢奈さんが演じた下落合桃歌は、「いじってもOK! なんだかんだ愛される子!!」と紹介。様々な現場に関わってきた中で、歌を披露したりOVAやゲームなどでも見せ場を作ってもらうことができたことから、このように思ったのだという。ちなみに歌を担当することになったときに、最初はアイドルっぽい曲を歌うものだと思っていた谷口さん。しかし、実際は演歌であったため、レコーディングの前日は「津軽海峡冬景色」を聴いて挑んだというエピソードを披露していた。

花井監督によると、曲が先に決まっていたというわけではなく、最初の会議の時に監督自身が第6話は「下落合桃歌殺人事件」という題名だけを決めて生まれたものだったと暴露。その時点で全く内容はまったく決まっておらず、シナリオライターにぶん投げるという、むちゃぶりがきっかけだったことを明かした。そのときに、どうせなら曲も作ろうということから第6話EDに使われた楽曲「中野慕情」が生まれたのだ。

谷口夢奈さんが歌った下落合桃歌の「中野慕情」にも、意外な誕生秘話が!?

松井恵理子さんは、自身が演じた四谷ゆみを「借金 お姉さんやるときはやる!」と紹介。四谷ゆみについては、ある時に共演者からは「ゆみさんって、借金あるんですね!?」と、すごくまっすぐな目で言われたことが印象的だったという。

ゲーム版の時点でも面白い雰囲気はあったものの、特にアニメ化されたことでキャラクター性が開花。演じている松井さん自身も、知らない間に「“面白い女”になっていた」と、その魅力をアピールしていた。

松井さんは、四谷ゆみは調子に乗って最後に痛い目を見るところが王道アニメ的で好きだと語っていた

大和田仁美さんが演じた蛙坂来弥は、「ちゃんと忍者やってる子」だと紹介。アーバン流忍術とはなにかなど、頭では一生懸命理解しようとしていたものの、いまひとつわからず。それがアニメになって映像で可視化されたことで、自分の中でキャラクターの解像度が上がった。ネタ要素もあるため、なんちゃってキャラではないかと思われがちだが、ちゃんと忍術も使えるというところをアピールしたかったことから、こうした紹介文になったそうだ。

花井監督の中では、蛙坂来弥は「道具を使う子」という認識だったようだ

田澤茉純さんは、自身が演じた宇佐元杏奈は、「ストイック」だと紹介。ひと言で表すのは難しいものの、アニメではアナウンサーで登場することが多かったのだが、プロ意識が高いことからこちらの言葉が選ばれている。花井監督によると、アフレコ時はアナウンサーや司会が多かったこともあり、プロ意識のキャラクターが強くなっていた。しかし、それでは素のキャラクターっぽさが出ないため、逆のオーダーを出していたそうだ。

宇佐元杏奈の収録時は素のキャラクターっぽさが出るように、もうちょっといつものテンションでというオーダーがあったそうだ

高幡のどかのお姉さんはどんなイメージ? 花井監督が裏設定を披露

続いて、事前にユーザーから募集したメッセージを紹介するコーナーに。ひとつ目は、「のどかちゃんにはお姉さんがいるそうですが、どんな人物だと思いますか?」といった質問が紹介された。実際に声を演じた根本京里さんは、「そんなに気が合うタイプじゃないのかも」と素直な感想を述べていた。これは仲が悪いというよりも、一緒に買い物にいったりご飯にいったりといったようなことをするような姉妹じゃないという印象だという。

花井監督によると、作中で描かれている場面はないものの、お姉さんはどちらかというとできる子で、それに対してのどかは頑張っているものの評価がされない。比較されて辛くなっていく。そこで、場所を変えて憧れだった成子坂に入っていくというアイデアが元になっている。ただし、のどかがひとり暮らしなのか家族と住んでいるのかという、プライベートな部分についてはあえて描かないようにしているため、そちらは視聴者の想像に任せたいと語っていた。

高幡のどかのお姉さんはできる子だった

ここで次のメッセージの紹介へ……と思いきや、いい意味で登壇者たちの話が盛り上がってしまったため、トークセッションのコーナーが終了に。さらに、ゲームで会場に訪れた人にプレゼントをあげるというコーナーも時間が無くなってしまい、急遽抽選会のみ行われることとなった。

抽選でこちらのポスターが会場に訪れた6人にプレゼントされた

迫力満点の「アフレコ朗読劇」とミニライブで会場のボルテージも最高潮に

イベントの前半が終わり、いよいよ後半戦に突入。ここで行われたのが、花井監督がギリギリまで作業を行っていたという「アフレコ朗読劇」だ。今回のシチュエーションは、アクトレスたちが、何者かに閉じ込められた謎の地下室から脱出を試みるというもの。

演じるキャラクターが入れ替わっているなど、かなりユニークなシナリオとなっていたが、別のキャラクターをしっかりと演じきる声優陣の演技力の凄さが圧巻だった。朗読劇のストーリー自体も、ときおりナレーションが挟まれながらテンポ良く進んでいき、その都度大きな笑いが会場から沸き起こっていた。

これぞ生アフレコならではの臨場感
別のキャラクターに入れ替わるなど、だんだんカオスな状況になっていく

朗読劇の終盤、実は犯人だった富田海良がその真相を明かそうとしていたタイミングで「中野慕情」のイントロが流れる。ここからなし崩し的に下落合桃歌(CV:谷口夢奈)が歌を披露し、そのままミニライブに突入していくという、最後までカオスな状況でアフレコが終了した。

谷口夢奈さんが「中野慕情」を生で披露。ここからなし崩し的にミニライブに突入した

「中野慕情」を歌い終わると同時に、アップテンポの楽曲が流れる。ここで鈴木愛奈さんが登場し、OPテーマ曲の「Dash and Go!」を披露した。

ゲームやアニメのイベントでのライブ演奏は、観客は比較的静かに観覧していることも多いのだが、今回は会場内のあちらこちらでペンライトが振られるなどかなりの熱量となっていた。鈴木愛奈さんに続き、堀内まり菜さんが登場してEDテーマ曲の「Just a little bit」を披露。「おい!おい!」という大きなかけ声が会場内に響き渡り、こちらもかなりの盛り上がりとなっていた。

鈴木愛奈さんOPテーマ「Dash and Go!」歌い会場を盛り上げる
気が付けば、会場内にはペンライトを振っているファンが大勢いた
EDテーマの「Just a little bit」を熱唱する堀内まり菜さん

重大発表こそなかったが、ミニライブ終了後に新情報として発表されたのが、コトブキヤのプラモデルシリーズ「メガミデバイス」とのコラボだ。今回発表された情報としては、メガミデバイス アナザー「高幡 のどか 師門」が2025年に発売されるというもの。予約開始など商品の詳細については、後日発表される予定だ。

メガミデバイス アナザー「高幡 のどか 師門」が2025年に発売決定

最後は、出演者全員によるOVAのEDテーマ「ココロふわり」を歌いイベントが締めくくられた。ハプニングがありつつも、ファンは充分に楽しめるイベントになっていたのではないだろうか。なお「アリス・ギア・アイギス」については、Android/iOS用のゲーム版が配信中となっている。こちらも合わせてチェックしていただきたい。

ラストは全員で「ココロふわり」を披露

©Pyramid,Inc./成子坂製作所
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