音声字幕・翻訳を表示「DNP対話支援システム」 感情によりフォントが変化

by 加藤綾

大日本印刷(DNP)は、窓口業務等の対話の音声をリアルタイムで文字に変換し、目立たせたい単語をフォントで強調して透明スクリーンに表示する「DNP対話支援システム」を、4月23日に発売する。

聴覚障がい者や高齢者など、音声を聞き取ることが困難な人や訪日外国人との円滑なコミュニケーションを支援するためのシステム。感情や話題に合わせたフォントに自動で切り替える「DNP感情表現フォントシステム」と、会話をリアルタイムで文字化・翻訳するアイシンの音声認識システム「YYSystem」を連携して開発した。

YYSystemにより、発言者の音声を文字に変換。感情表現フォントシステムにより音声認識されたテキストをリアルタイムで解析し、感情やイメージ等を表す単語について、12種のフォントから自動的に最適なものを選択して表示する。また、目立たせたい言葉や重要な単語のフォント・色・大きさを強調して表示するため、より円滑なコミュニケーションにつながるとしている。

自動翻訳機能は、日本語・英語・中国語・韓国語・ポルトガル語など23の言語のリアルタイム翻訳に対応。感情表現フォントシステムは日本語のみの対応だが、今後は対応言語拡張を予定している。

透明スクリーンに文字を表示するため、対面接客時に相手の表情を見ながら対話可能。指向性マイクにより、周囲の雑音の影響を軽減し、対話音声を収音しやすくしている。

主な活用シーンは、会話による説明が多く、情報保証が必要とされる自治体・調剤薬局・金融・保険等や、外国人観光客等との会話が必要となる観光案内所やホテルなどの観光業界、公共交通機関の窓口。

ソフトウェア(音声認識アプリ)とハードウェア(iPad、透明スクリーン、指向性マイク等)を組み合わせたシステム一式での販売。料金は利用環境や設置数などによる。

同システムは、4月からJR九州の小倉駅に試験的に導入されており、5月にはJR東日本の一ノ関駅に試験導入予定。今後、自治体や公共交通機関等に提供し、関連サービスも含め2028年度までに10億円の売上を目指す。

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