高校生が企業の課題解決に挑戦、「マイナビキャリア甲子園」受賞チーム決定

by 正田拓也

第10回マイナビキャリア甲子園 Creation部門 決勝進出チーム

株式会社マイナビは、全国の高校生を対象にした国内最大級のビジネスアイデアコンテスト「第10回マイナビキャリア甲子園」決勝大会を2024年3月9日と10日に東京の渋谷ストリームホールで開催した。各企業・団体が選出した代表12チームがプレゼンテーションを実施し、優勝・準優勝・審査員特別賞が選ばれた。

「マイナビキャリア甲子園」は企業や団体が出題するテーマに対し、高校生がチームを組んで課題解決に挑むビジネスコンテスト型探究学習プログラム。今回は開催10年目にちなんで、「BEYOND DECADE(10年を超える)」の大テーマを基に企業や団体がテーマを出題。高校生チームがテーマを1つ選んでアイデアを考えた。

「マイナビキャリア甲子園」を2014年に開始して以来、今回は過去最高となる全国2,736チーム、1万125名の高校生が参加。部門を2つに分けて別日で開催、全く新しい価値を創造する「Creation」部門と既存のサービスや価値を再編集して新たな価値を生み出す「Innovation」部門とし、それぞれに優勝・準優勝・審査員特別賞を選出した。

受賞チームは以下の通り。

Creation部門(3月9日開催)

・優勝
生命保険協会代表 「質疑応答独占」チーム
(渋谷教育学園幕張高等学校/麻布高等学校)

生命保険協会によるテーマ:
「ITの発達による10年後、その先の社会を想像し、その社会において生命保険会社が提供すべき新しい価値を提案せよ」

提案内容:
10年後、個が肉体や人格を複数所有する世の中になると想像して「精命保険」を立案。生命保険の保障対象を家族ではなく、個人のリスクヘッジにかける保険に新たな価値を見いだす内容を披露した。

・準優勝
エルテス代表 「Andante」
(さいたま市立大宮国際中等教育学校)

エルテスによるテーマ:
「行政サービスがデジタル化された10年後、誰もが快適に暮らせる次世代都市を目指し、エルテスグループが推進すべき事業を提案せよ」

提案内容:
AIがオープンデータから分析したリアルな「地域課題」を、高校生の必修科目である「探究学習」の教材として扱い、実際に若者目線で課題の解決方法を考えて新たな価値を生み出すというアイデアを披露した。

審査員特別賞
J-POWER代表 「クローバー・ジャーニー」
(千葉県立幕張総合高等学校/東京工業大学附属科学技術高等学校)

J-POWERのテーマ:
「10年後の地域社会の姿を自由にデザインし、その実現に貢献するJ-POWERグループの新たなビジネスを提案せよ」

提案内容:
「再生可能エネルギーを核に、環境との調和と世代間のつながりを重視した持続可能な社会」を実現するGreen Energy Hub構想として切り開かれた土地を活用した太陽光発電施設を併設し、高齢者施設を融合したゴルフ場を提案。持続可能な施設のアイデアを披露した。

・Creation部門 決勝大会アーカイブ

Innovation部門(3月10日開催)

第10回マイナビキャリア甲子園 Innovation部門 決勝進出チーム

優勝
Dynabook代表 「秘密結社TONOTOKERAI」
(香里ヌヴェール学院高等学校)

Dynabookのテーマ:
「世界初のノートPCを開発したDynabookだからこそできる、地球人の10年後の未来を革新するPCの価値・サービスを創造せよ」

提案内容:
Dynabookの購入時に加入できるアバターを活用した「i Dynabook 生命保険」を提案。加入時に自分のアバターを作成、死後、遺族にアバターが届けられ、贈られた家族が故人をリアルに懐かしむことができ、金銭面でなく精神面を支える保険サービスを披露した。

準優勝
サマンサタバサ代表 「トリオンゲーム」
(かえつ有明高等学校)

サマンサタバサのテーマ:
「サマンサタバサのサービスと商品を通じて、複数の世代が一緒に喜びを共有できる新たなサービスを考案せよ」

提案内容:
オリジナルバッグを作成し、購入者が好きな中身を選べるオリジナルギフトを贈る仕組みで、卒業式・成人式・結婚式など人生の節目のギフト需要を狙う「SAMANTHA GIFT」を提案。ソーシャルギフトに参入してサマンサタバサのブランドイメージを変えるアイデアを披露した。

審査員特別賞
ミツカン代表 「若何せん」
(鷗友学園女子高等学校)

ミツカンのテーマ:
「今後10年の日本における食の変化を予測し、生活を豊かにする『味ぽん』ならではの新ビジネスを提案せよ」

提案内容:
地球温暖化によって増えた規格外品のかんきつ類を使い、地域の農家とコラボレーションした「ご当地味ぽん」を提案。ご当地味ぽんごとのレシピ作成や栄養素の紹介、購入で生産者に寄付金が付与される仕組みを作り、未来・社会・心身それぞれの豊かさを提供できるアイデアを披露した。

・Innovation部門 決勝大会アーカイブ

第11回大会のテーマとエントリー日程公開

マイナビキャリア甲子園の公式Webサイトでは、第11回大会の日程が公開されている。企業によるテーマの発表は7月以降で、7月1日(月)、8月1日(木)、9月2日(月)に分けて公開される予定。

参加に必須となるプレエントリーは7月1日(月)から11月29日(金)の正午までで、企画書を提出する本エントリーは11月1日(金)から11月29日(金)の正午までとなる。応募は個人でチームを組む個人応募と担当教員が応募する学校応募があるが、1学期の授業でマイナビキャリア甲子園の教材に取り組む学校は、4月1日からプレエントリーを受け付けている。

企業代表チームを選出する準決勝大会については、2025年2月16日(日)に東京都内で開催し、その後、3月15日(土)と16日(日)に決勝大会を開催する。そのほかの詳細については6月以降に公開するという。

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