いま、急増しているSNSを使った投資詐欺、有名人になりすました“ニセ広告”が大きな問題となっています。
警察庁によると、SNSを使った投資詐欺の2023年の被害総額は約280億円に。
【写真13枚】池上彰氏が憤り告白…“ニセ広告”解説 の写真を見る
“ニセ広告”に名前と写真を悪用されているのは「分かりやすい解説」でおなじみのジャーナリスト・池上彰さん。
インスタグラムやフェイスブックで、ニセ広告が多く投稿されていました。
ジャーナリスト 池上彰氏:
本当に怒り心頭ですよね。
許しがたいし、もっと他のこと、まともなことに力を尽くしなさいよと言いたくなりますね。
池上さんの名前をかたった“ニセ広告”は2700件もありました。
ジャーナリスト 池上彰氏:
すごいですね、私メタ(インスタグラム・フェイスブック)やっていませんからね。
Q:フェイスブックもインスタグラムもやっていないのですか?
やっていません。
Q:老後の株主配当優待の勧めはやったことある?
全くありません。
(私のプロフィールに)「エコノミスト」と書いていますけど、私エコノミストじゃない。
書かれている内容は間違いだらけ。
さらにLINEで検索すると出てくる池上さんの複数のアカウントについても…。
Q実際にご自身のものはありますか?
ありません、全くありません。いや、びっくりですよね。
池上さんを名乗る“ニセ池上彰”が7人も…。
本人は、公式SNSなどは一切やっていないといいます。
急増する〝ニセ広告〟に騙されないためには、どうすればいいのでしょうか?
池上彰氏の“ニセ広告”その内容は…
―いずれも池上彰さんの“ニセ広告”なんですが、名前や写真が使用されているということで、ちょっと信用してしまいそうですが…。
こういった“ニセ広告”に対して池上さん本人は「私がやっているかのように思われるのは本当に心外。悪用される可能性があるため、経済や投資に関する解説の仕事は断っている」ということです。
MC谷原章介:
見る方もきちんと勉強といいますか、ちゃんと「ここ怪しいな」と見極める目を持つことも大事ですよね。
小室瑛莉子アナウンサー:
そうですね。文章や文字の並びでおかしな点があると思いますし、なにより楽に稼げることってないと思います。
―『めざまし8』で取材したところ、池上彰さんになりすましたアカウントから実際に音声メッセージが送られてきました。送られてきたボイスメッセージ:
「こんにちは、池上彰です」
ジャーナリスト 池上彰氏:
おかしいですね、私の声じゃないですね。
相当、出来が悪い複製ですね。明らかに私の声じゃないですし。
『めざまし8』はSNS上の“ニセ池上彰”を取材すると…。
“ニセ池上彰”
私になりすます人はたくさんいるので、だまされないようにしてください。
その後、池上さん本人がこのアカウントに関係ないことを伝えると返信は途切れました…。
MC谷原章介:
このことによって大きな損害が生じていると思うのですが。
弁護士・弁護士ドットコム代表取締役 元榮太一郎氏:
イメージが悪くなりますよね。僕もXでなりすましをされたことがありますが、やっぱりすごく傷つきますし、自分のイメージまで下がるのではないかなと、憤りを感じます。
被害額は約280億円…“ニセ広告”を見抜くポイントは? 2023年から急増!被害額は約280億円…「メタ社」は声明を発表
MC谷原章介:
なりすましは増えているんですか?
弁護士・弁護士ドットコム代表取締役 元榮太一郎氏:
2023年の後半から、さらに急増しています。
2023年ですと警察庁の発表で認知件数は2271件。被害金額も約277.9億円。
最近はインターネットで気軽に投資ができるようになってきていることや、「投資ブーム」、「オレオレ詐欺」、「お母さん助けて詐欺」など、今までの詐欺が有名になりすぎて通用しなくなったので新しい形として、有名人を語る“ニセ広告”が流行しています。
MC谷原章介:
どういう方からの相談がありますか?
弁護士・弁護士ドットコム代表取締役 元榮太一郎氏:
警察庁の発表ですが、男性だと50・60代、女性だと40・50代。比較的お金を持っているような人で、かつSNSを使いこなしているような人たちが多いです。
ただ年齢を問わずターゲットになる可能性があるので本当に注意が必要です。
―有名人の“ニセ広告”を巡って、フェイスブックを運営する「メタ社」が声明を発表しました。「オンライン詐欺は、インターネットを通じて世界中の人々を標的とする社会全体の脅威です。対策の進展には社会全体でのアプローチが重要」(一部抜粋)
この声明についてジャーナリストの池上彰さんは…
ジャーナリスト 池上彰氏:
まるでひとごとのような声明に驚いています。共犯のようなものだという自覚を持ってほしい。
有名人の“ニセ広告”を見抜くポイント
MC谷原章介:
言葉選びだったり、改行だったりいろいろあると思いますけど、有名人の“ニセ広告”を見抜くポイントはなにかありますか?
弁護士・弁護士ドットコム代表取締役 元榮太一郎氏:
まず日本語が変な場合が多いですね。誤字・脱字なんかの場合は詐欺のリスクが高いということ。
法律では「確実にもうかります」「この株上がります」のような“確実な言葉”は言ってはいけないんです。
こういった断定的な表現の場合は危ないなと思った方がいいと思います。
あとは振り込み先の口座ですが、基本的にちゃんとした投資運用会社は法人名義であることが多いんですが、なぜか個人名義の口座に振り込ませられる。
今まで名乗っていた口座と全然違う法人名義の口座を案内されるときは、おかしいなと思った方がいいです。
(『めざまし8』 2024年4月23日放送より)