世界EV販売は年内1700万台に、石油需要はさらに減少=IEA

Noah Browning

[ロンドン 23日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は23日、電動車販売台数が2024年に大幅に増加し、石油需要はさらに減少していくと述べた。

世界の電動車販売台数について、24年は1700万台に達し、前年の1400万台から大きく増加するとの予測を示した。

販売される5台に1台以上が電動車となる。このうち1000万台が中国で販売される見込み。

IEAは「世界電気自動車(EV)見通し」の中で、「タイトなマージン、不安定なバッテリー金属価格、高インフレ、一部の国における購入インセンティブの段階的廃止が業界の成長ペースに対する懸念を呼び起こしたが、世界的な販売データは好調を維持している」と指摘した。

今年第1・四半期の販売台数は前年同期比25%増加した。

総販売台数に占める電動車の割合は地域によって大きく異なる見込みで、米国ではおよそ9台に1台、欧州では4台に1台となる一方、中国では半数近くを占めるとIEAは予測している。

価格が引き続き成長の鍵と指摘。欧米で内燃機関車は同等の電動車よりも手頃な価格で販売されているが、中国では昨年販売された電動車の3分の2近くが従来型の同等車両よりも安価だった。

IEAは「バッテリー価格の下落や競合の激化、自動車メーカーの高い利益率の達成を背景に、電動車の価格は概ね下落している」とした一方、18年ー22年のインフレ調整後には、価格が停滞したり、わずかに上昇したりするケースもあったと指摘した。

充電インフラの整備も重要な課題だとし、充電ネットワークは35年までに6倍に拡大する必要があると付け加えた。

「世界電気自動車見通し」によると、電動車の普及により、自動車用燃料需要は2025年頃にピークを迎えるとされている。

各国が表明しているエネルギー・気候政策を実行すれば、30年までに石油需要は日量約600万バレル、35年までに日量1100万バレル削減され、現在の総石油需要の10分の1以上になるとIEAは予測している。

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