リニア2027年開業断念「落胆大きい」知事がJR東海・丹羽社長に直接伝える「早く開業時期を明らかに」と注文も

リニア中央新幹線静岡工区の着工の遅れを理由に、JR東海は当初の目標であった2027年開業を断念した。開業はいつになるのか、4月22日、長野県の阿部知事とJR東海の丹羽社長がトップ会談を行った。

リニア巡りトップ会談

県庁で行われた阿部守一知事とJR東海・丹羽俊介社長のリニアをめぐるトップ会談。

冒頭、知事は「2027年の開業断念ということで、われわれもそうですし、地域の皆さまにとっても落胆が大きい」と述べた。

品川・名古屋間を40分で結ぶリニア中央新幹線。

県内では唯一、飯田市に駅ができる。

川勝知事が静岡工区の着工認めず…

しかし、静岡県の川勝知事が環境問題などを理由に静岡工区の着工を認めず、JR東海は当初目標にしてきた2027年開業を断念。

また、長野県内の工事も少なくとも2031年までかかることが判明している。

開業は2034年以降との見方もあり、飯田市などからは早期に開業時期を示してほしいとの声が上がっている。

現時点で新たな開業時期見通せず

22日の会談で阿部知事は「次の目標をどうするのか、切実な課題。早い時期に開業時期を明らかにしていただきたい。強くお願いしておきたい」と訴えた。

一方、JR東海の丹羽俊介社長は「開業時期を見通すためには静岡工区のトンネル掘削工事に着手する必要がある。いまだ着手の見込みが立たないため、現時点で新たな開業時期を見通すことできない」と回答した。

知事やきもき…先が見通せない

また、知事は観光・地域振興には欠かせないなどとして飯田市の駅に上下線とも1時間に複数本停車するよう要望。

丹羽社長は「駅の停車本数も開業がもう少し近づいた時期に決めたい」と答えた。

リニアをめぐっては静岡工区の着工を認めてこなかった川勝知事が辞職を表明。

次の静岡県知事の対応も含め今後が注目される。

会談後、阿部知事は「地域の未来の姿をどう描くか、時期が明確にならないと具体的な検討は進められない。『今までの時期が延びる』というだけで済まされる話ではない」と述べた。

(長野放送)

© FNNプライムオンライン