7月対面通行に 能越道、里山海道 ほぼ全区間 〈1.1大震災〉

  ●首相、復興基金6月創設

 能登半島地震で被災した能越自動車道・のと里山海道が、7月末までにほぼ全区間で対面通行できる見通しとなった。23日の政府の復旧・復興支援本部会合で岸田文雄首相が明らかにした。奥能登の被災地への円滑な移動や物資の輸送が期待される。岸田首相は「被災地の声にしっかりと寄り添い、復旧・復興を全面的にバックアップしていく」と述べた。

 国土交通省金沢河川国道事務所によると、7月末までに金沢方面の通行が可能となるのは、能越道ののと里山空港インターチェンジ(IC)―穴水IC間(6.2キロ)と、のと里山海道の穴水IC―徳田大津IC間(27キロ)となる。

  ●能登大橋は交互通行

 穴水町の能登大橋付近では、大規模な土砂崩落が起き、復旧に時間がかかるため、当面の間、片側交互通行となる。

 元日に発生した能登半島地震後、能越道とのと里山海道では大規模崩落28カ所を含む計178カ所の損傷が見つかった。権限代行により、国が県に代わって復旧工事を進めるなどし、輪島方面へ向かう全区間は3月15日に通行できるようになった。金沢河川国道事務所の担当者は「能登大橋も早期に対面通行ができるよう工事を急ぎたい」と話した。

 能登半島地震の復旧・復興支援本部会合では、岸田首相が被災自治体を支援する「復興基金」については、石川県の方針に合わせ、6月めどの創設に向けて取り組むよう指示した。

対面通行ができる見通しとなったのと里山海道=3月15日、穴水町越の原

© 株式会社北國新聞社