石原さとみVS“めるる”生見愛瑠、火曜ドラマ「令和の主演女優の座」争奪戦 “実績か勢いか”―勝敗の行方

石原さとみ、”めるる”こと生見愛瑠 (C)ピンズバNEWS

4月クールの連続ドラマ、火曜日に“新旧”の女優がしのぎを削っている――。夜9時には石原さとみ(37)主演の『Destiny』(テレビ朝日系)、10時からは“めるる”こと生見愛瑠(22)主演の『くるり~誰が私と恋をした?~』(TBS系)が放送されている今期の火曜日。第1話の放送日も同じ4月9日で、23日には両作とも第3話が放送される。

【以下、『Destiny』と『くる恋』第2話までのネタバレを含みます】

石原主演の『Destiny』は、横浜地検の検事・西村奏(石原)が、大学時代の恋人・野木真樹(KAT-TUN・亀梨和也/38)との12年ぶりの再会を機に、過去の悲劇にまつわる謎に向き合うサスペンス・ラブストーリー。第1話で大学時代の悲劇が描かれ、第2話から現在編に突入している。

一方の『くる恋』は、階段から転落して記憶喪失になった主人公・緒方まこと(生見)が、恋の相手と本当の自分を探す物語。元恋人、唯一の男友達、運命の相手を自称する3人の男性が現れるが、全員何かを隠していて――というラブコメミステリー作品。第2話ラストの不穏な描写から、“イケメンたちが全員怪しすぎる”と注目を集めている。

「見ていてドキドキする考察ドラマとして楽しめる、そんな共通点に加えて、2つ作品は主演女優としてのキャリアを確立している石原さんと、新進気鋭でゴールデンプライム帯の連ドラ初主演のめるる――令和の主演女優同士のバトル勃発、という見方もできますね」(テレビ誌編集者)

『Destiny』は、石原の本格的な主演復帰作として放送前から注目されていた。石原は2022年1月に第1子妊娠を発表し、同年4月の出産発表後も育児を優先して女優業をセーブ。『Destiny』が、綾野剛(42)とのダブル主演ドラマ『恋はDeepに』(日本テレビ系/21年4月期)以来3年ぶりの連続ドラマである。

「第1話は、実年齢37歳の石原さんが大学生を演じたことに“無理がある”という声も出ましたが、真樹(亀梨)との男女シーンの美しさも注目を集めました。検事となった現在の第2話以降は石原さんが得意としている“自立した働く女性”感が強く出ていて、主演としてより存在感が増しつつありますね」(前同)

■コアはめるるに軍配が上がっているが…

『Destiny』で見せた石原の演技には、

《亀梨くんと石原さとみの演技いいね、さすがだわ。二人だけのシーンが一番引き込まれるよ…》《一瞬にして「あの頃」(※幸せな大学時代)の表情に戻る石原さとみさんの演技が素晴らしい》
《石原さとみさんの過去と今の演じ分けも説得力があり不穏なストーリーではあるけど次回も楽しみです》

といった、絶賛の声がXに多く寄せられている。

「石原さんの評価は高いのですが、『Destiny』の数字はかなり微妙な感じです。現在のテレビ界が最重要視している13~49歳のコア視聴率は厳しく、初回(4月9日)は2.1%でしたね(関東地区/ビデオリサーチ調べ)。

石原さんは主演女優としての実績は十分ですが、2018年1月期の『アンナチュラル』(TBS系)が世帯平均11.1%と2ケタ超えを記録したのを最後に、主演作の数字が落ちているところはあります。

『高嶺の花』(日本テレビ系/18年7月)、『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』(TBS系/19年7月期)、『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ系/20年7月期)、『恋はDeepに』はいずれも平均視聴率1ケタ台。今の時代、なかなか2ケタの世帯視聴率を取るのは至難の業ですが、石原さんには厳しい声も上がっていましたね。

石原さんとしては、復帰作の『Destiny』でなんとしても良い結果を残したいところではないでしょうか」(前出の制作会社関係者)

対する生見はぐんぐんと頭角を現してきていて、演技面の成長も著しい。『くる恋』も初主演作として注目されていて、初回のコア視聴率は『Destiny』より高い2.5%だった。

「モデル出身の生見さんは当初から女優業を志望していたものの、最初は全然演技ができなかったといいますね。しかし、バラエティ番組『THE突破ファイル』(日本テレビ系)に出演したことが大きな転機になったようです。

『突破ファイル』は、出演者がさまざまな職業に扮して本格的な再現ドラマを撮る番組ですが、これが演技力アップにつながったようです。やはり場数は重要ですよね」(前同)

連ドラでは、23年10月クールに木南晴夏(38)主演の『セクシー田中さん』(日本テレビ系)に準主役で出演。ほとんど主人公といってもいい活躍ぶり、可愛さ、たまに見せるやさぐれ感などなど多くの点で注目され、生見は『ザテレビジョンドラマアカデミー賞 助演女優賞』に輝いている。

■『Destiny』が『くる恋』に勝っている意外なコンテンツ

そんな生見がGP帯初主演を果たしたのが、TBSでも、恋愛モノでヒットを連発し、女性に人気のある『火曜ドラマ』枠の『くる恋』だった。

今回の『くる恋』で生見は、記憶喪失を機に本当の自分を探す女性を演じている。記憶を失う前後で雰囲気の違いも演じ分けていて、

《めるる演技上手いんだが。そして引いて撮られた容姿・お顔 雰囲気が違って(良い意味で)かなり素敵なんだけど!》
《記憶喪失前後の葛藤が絶妙》

といった、高く評価する声が寄せられている。

物凄い勢いで上昇するめるるの勢いに石原が押されているようにも感じられるが、こんな指摘も。

「リアルタイムのコア視聴率では『くる恋』の方が上ですが、TVerのお気に入り登録者数は『Destiny』が96.2万人で、『くる恋』の59.7万人(22日19時現在)を大きく上回っています。

加えて、『Destiny』は放送後にNetflixにも配信していて『今日のTV番組TOP10』にランクインしたり、テレ朝の有料配信サービス『TELASA』にオリジナルコンテンツも配信していたりと、リアルタイムの数字と同時に、配信を強く意識しているところがありますね」(前出の制作会社関係者)

配信では石原の『Destiny』が圧勝、リアルタイムの数字は生見の『くる恋』が勝ち――開始間もないところでは“1勝1敗”といったところか。

「物語はまだ序盤ですから、ドラマヒットのカギを握るのは、やはり今後の展開と脚本の出来ですよね。両ドラマとも共通して漂っているのは“不穏さ”です。ですので、Xでは考察合戦が始まっている。ここの盛り上がりも重要になってきそうです。

もちろん主演の2人の演技、そして存在感が、どれだけ視聴者を惹きつけられるか、“見たい”と思わせるかも重要ですよね。石原さんはママになって初の主演ドラマとして、生見さんは初のGP帯連ドラ主演として、両者とも非常に気合いが入っているのは間違いない。どちらが主演作を人気ドラマへと導けるか――目が離せませんね」(前同)

地上波のドラマ枠が増えたといっても、主演できる女優は限られている。石原と生見、この4月期に輝きを放つのはどちらだろうか――。

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