中国、2040年以降も石炭利用継続 気候目標に影響も=調査

Colleen Howe

[北京 23日 ロイター] - 環境リスクの評価を手掛けるノルウェーのDNVは23日、中国の石炭消費が2040年までに約3割しか減らないとの見通しを示した。

国際エネルギー機関(IEA)は世界の平均気温の上昇を1.5度以内に抑えるには、石炭発電能力を40年までに世界的に廃止する必要があると指摘しており、気候目標の達成が危ぶまれる恐れがある。

DNVによると、中国の石炭消費は今後2年で「わずかに増加」し、その後40年までに約3割減少する。50年にはピーク時の約25%になる見通し。

中国の再生可能エネルギー発電は今後大幅に増加し、50年に電源構成の88%を占めるとみられるが、石炭の利用は継続されるという。

天然ガスの消費は50年までに22年比で2%しか減らない見通し。

ただ、特に製造業で脱炭素化を加速すれば、60年までにカーボンニュートラル(炭素中立)を実現するという中国の目標を「ほぼ」達成できるという。

DNVは、中国の炭素排出量が公式目標の30年よりかなり早い26年までにピークに達すると予測。同国の総エネルギー需要は30年にピークを迎え、その後50年までに20%減少する見通し。

中国では、電化を背景に石炭よりも石油の利用廃止が急ピッチで進むとみられ、道路部門の石油需要は50年までに94%減少する見込み。石油の総消費量は27年のピークから50年までに半減するが、輸入依存度は84%で高止まりすると予測されている。

航空燃料需要に占める石油の比率は、バイオエネルギーや合成燃料などの利用定着で22年の99.6%から50年には59%に低下するとみられている。

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