【天皇賞春/危険な人気馬】“消し”はドゥレッツァかテーオーロイヤルか、前例なきローテと勝率わずか2.0%の血統背景

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今週は、春の長距離王を決する大一番、第169回天皇賞・春(GI、3200m)が京都競馬場で行われる。

今年は、昨年の菊花賞馬ドゥレッツァをはじめ、ダービー馬タスティエーラや、阪神大賞典を制したテーオーロイヤル、日経新春杯勝ち馬のブローザホーンや、古豪ディープボンド、ダイヤモンドS2着のサリエラなど、各路線から多彩なメンバーが集まり、群雄割拠の混戦模様だ。

そんな中、重賞連勝で勢いに乗るテーオーロイヤルが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■使い詰めのローテと血統面で不安

ダイヤモンドS、阪神大賞典と、2戦連続で上がり最速の決め手を繰り出し、重賞連勝中のテーオーロイヤル。特に前走の阪神大賞典では、好位から1頭だけ次元の違う末脚を繰り出し、後続に5馬身差をつける圧勝劇で、ビッグタイトル獲得に王手をかけた。

阪神大賞典の勝ち馬は、過去10年の天皇賞・春で【3.2.2.2】の成績で、複勝率は77.8%と、かなり信頼度の高い数字。今回も有力な1頭と思われがちだが、昨秋に怪我から復帰して以降、コンスタントに4戦、長距離戦を使われている点は引っ掛かる。

過去10年、阪神大賞典を制し臨戦した延べ9頭のうち年明け初戦だった馬は6頭、2戦目の残り3頭も初戦は1月に走っており、テーオーロイヤルのように、初戦が2月のダイヤモンドS、2戦目が阪神大賞典だった例はない。

3着以内に入った延べ30頭中23頭が、年明け初戦、あるいは2戦目が天皇賞・春だった馬であり、勝ち馬も10頭中9頭が該当する。使い詰めのローテより比較的フレッシュな状態で臨んだほうが、好結果を生みやすい傾向にある。

また、キングカメハメハ産駒の天皇賞・春での成績は、一度も馬券に絡んだことがなく、過去10年では【0.0.0.16】。キングカメハメハの孫にあたる、ドゥラメンテ産駒のタイトルホルダーが、2022年に制したが、全体的には相性の良くない一族と言える。

テーオーロイヤルの父リオンディーズは、主要4場の中で、条件を問わず、芝のレースでは阪神が最も相性が良く、勝率8.8%、連対率19.3%、複勝率29.9%の成績。一方、京都は最も相性が悪く、勝率5.1%、連対率15.2%、複勝率25.3%と、阪神に比べると分が悪い。さらに、天皇賞・春が行われる京都外回りコースでは、勝率2.0%、連対率11.8%、複勝率19.6%と数字は悪化。血統面からも強調できる材料はない。

一昨年の天皇賞・春では3着に敗れ、そのリベンジを果たしたいテーオーロイヤル。だが、その一昨年も、勝ち馬からは8馬身も離される完敗で、そのあたりも血統面での相性の悪さと言えるかもしれない。

今回は使い詰めによる上がり目もなく、人気ほどの信頼感はないと考え、妙味を考慮すると、今回は思い切って「消し」でいきたい。

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