伊原六花「愛を持って丁寧に作っていきたい」新境地となる衝撃の“肝臓を奪われた妻”役が話題に!【インタビュー】

日本テレビに昨年4月に新設され、TVerアワード2023で特別賞を受賞した「夫婦が壊れるとき」など濃密な人間模様を描いた数々の作品を誕生させた連続ドラマ枠「ドラマDEEP」。放送枠を金曜から火曜に引っ越しして、さらに全国放送にパワーアップしておくる第1弾として放送中なのが「肝臓を奪われた妻」。地上波の連ドラ初主演となる伊原六花さんが“肝臓を奪った”元夫に復讐(ふくしゅう)していくシングルマザーという壮絶な役柄に体当たりで挑み、「ギャップがすごい」「鳥肌もの」と話題を呼んでいる。

本作はLINEマンガで1億3300万超viewsを記録した人気webtoonを実写ドラマ化。伊原さん演じる北山優香が最愛の夫・中村光星(桐山漣)の母に肝臓移植をした途端、夫の態度が豹変(ひょうへん)し理不尽に離婚を言い渡される。7年後、光星と再会し、肝臓を移植させるための偽りの結婚だったと知った優香は「あなたたちの大切なもの、私が全部奪ってやる…」と元夫とその家族への復讐を誓う。スリリングな復讐劇でありながら、復讐の先に待つものは何なのか? 復讐だけにとどまらず、優香が復讐の過程で出会った人々との人間関係、絶望から立ち上がる優香の成長ストーリーも描かれていく。

ドラマ「チア☆ダン」(TBS系)で連ドラデビューを果たし、昨年には「夕暮れに、手をつなぐ」「マイ・セカンド・アオハル」(ともにTBS系)、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」、映画「リゾートバイト」に続けて出演するなど、着実にキャリアを積み重ねている伊原さんにとって、まさに“新境地”といえる本作。北山優香という役柄について、制作発表時には「役者としてもすごくやりがいのある役ですし、私にとってもチャレンジングな役になると思う」と話していたが、劇中では力強い瞳に復讐の炎を燃やし、時に妖艶に、時に清純に男性たちを誘惑しながら復讐を遂げていく優香を演じ上げている。

――本作で地上波の連ドラ初主演となりますが、反響についてはいかがですか?

「情報が出てから、今までにないくらいたくさんのメッセージをいただきました! もちろん知り合いから『おめでとう』というメッセージももらったのですが、応援してくださっている方が『この漫画、読んでいたからすごくうれしい』っていう連絡をくださって。今回はそういうことがすごく多かったですね。私も漫画が大好きで、愛している作品がアニメ化や舞台化、実写化される時の気持ちはなんとなく分かるんです。原作を愛している方にもドラマ版として愛していただけるように、私自身もリスペクトを持って、愛を持って丁寧に作っていけたらなと。そちらも楽しみにしていただけたらなと思います」

――クランクイン前に原作はご覧になっているかと思いますが、優香の印象をお伺いできますでしょうか?

「ドラマでは原作と軸の部分は変わらず、漫画を読んでヒントを得た部分は大きいですね。優香は子どもの頃に父親を亡くして、一緒に過ごしてきた母親も病気になり、働きながら支える日々を過ごしていたんです。その中で、しっかり親からの愛も受け取っていたと思っていますし、その愛を返そうという献身的な部分を根本に持っていると思っていて。なので、もともとは優しくて愛のある女の子だなと感じています」

――そんな中で、優香の魅力的に感じている部分や共感する部分をお教えいただけますでしょうか。

「優香の人間らしいところが好きですね。揺らぐポイントだったり、悔しい、悲しいと思う瞬間だったりが、見ていて共感できるんです。 優香を見ていると苦しくなる瞬間があって、悩んだり葛藤を感じたりできるのは、何がいいことで何が良くないことなのかという感覚があるからこそ揺れると思うので、そういうところに人間らしいなと感じますね。復讐を決めるポイントになるものが自分の肝臓を取られたことはもちろんですが、愛する人に裏切られていたり、母親のことまで調べられていたり…。そういう自分以外の要因を含めて、復讐心がふつふつと湧いてくるところが優香らしいです」

――放送を拝見して、息子の結人(近江晃成)の存在も優香の原動力になっているのではと感じています。

「私も、結人や働いている花屋さんの田代春美さん(猫背椿)の存在が、優香にとって鍵になってくると思っていて。優香には守るべき存在がいて、復讐から少し離れてホッと息が抜ける場所でもあり、行き過ぎたところから引き戻してくれる存在になってくれるのではないかなと思っているので、 その関係性をしっかり前半で大切に描けたらと思っています」

――キーパーソンという点では、戸塚純貴さん演じる小栗健も優香に影響を与える存在かと思いますが、優香にとって小栗はどんな存在だと感じていますか?

「小栗さんの優しさや真っすぐな思いに触れた時に、自分がしていることとの違いやギャップのようなところにいろんな感情が湧いてくるんだろうなっていうのはすごく思っていて。小栗さんと関わっていくうちに『もしかしたら、もう小栗さんに寄りかかって忘れてしまってもいいのではないか』『もう楽になってもいいのだろうか』という気持ちと、『いや、私は復讐をやり遂げなきゃいけないんだ』という気持ちの揺れ動きがあるのかなと。優香にとって小栗さんは、そんなふうに優香の心を動かす存在であり、愛を与えてくれる存在なのかなとも思います」

――復讐を遂行していく一方で、小栗にひかれていく部分もあり…。その葛藤が切ないですよね。

「そうなんです。そこがタイミングとして難しいところですよね。 復讐すると決めたけれど、こうして自分を思って大切にしてくれる人がいて、 どこに向かって走るのが正解なんだろうって思う瞬間がきっと優香にはあると思うので…。そこが、このドラマが復讐劇だけじゃない大事な要素だと思います」

――では最後に、視聴者の方へメッセージをお願いいたします。

「復讐した先に何があるのか、復讐をすることがすべてなのか…。いろいろ立ち止まったり、引き戻されたりしながら進んでいく作品なので、もちろん復讐劇でもあるのですが、それ以外のところで楽しんでいただけるストーリーや要素がたくさんあるなと思っているので、そこを楽しみに見ていただきたいです。 個人的なところではお花が好きなので、お花屋さんでのシーンがすごく楽しみです。お花に癒やされながら撮影を頑張りたいと思います!」

4月23日(火)放送 第4話

光星の妻・るり子(水崎綾女)の不倫相手・玉木慎吾(夏生大湖)の毒牙からなんとか逃れた優香。優香を心配し、自転車で追いかけてきた小栗はあえて明るく振る舞うが、玉木を恐れてしまった悔しさと情けなさから、優香は小栗にきつく当たってしまう。そんな中、優香のもとにメールが届き、公園に向かうとダンディーなイケオジ・黒田修二(原田龍二)が笑顔で手を振っていた。以前、心臓発作のため道で倒れていたところを優香に助けられた黒田は、命の恩人である優香に恩返しするために協力を申し出たのだった。黒田を巻き込むことには抵抗はあったものの、黒田に押し切られる形で共に復讐を成し遂げる覚悟を決めた優香。そんな折、お祝いの花を届けに出た優香をある人物が待ち受けていた…。

【プロフィール】

伊原六花(いはら りっか)
部長を務めた大阪府立登美丘高校ダンス部が日本高校ダンス部選手権で発表した“バブリーダンス”が注目され、2017年に芸能界入り。ドラマ「チア☆ダン」(TBS系)でドラマデビューを果たす。以降は、NHK連続テレビ小説「なつぞら」、「夕暮れに、手をつなぐ」「マイ・セカンド・アオハル」(ともにTBS系)などに出演。出演する舞台「PARCO&CUBE produce 2024 ミュージカル『ダブリンの鐘つきカビ人間』」が7月から東京・東京国際フォーラム、大阪・ COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演される。

【番組情報】

火曜プラチナイト ドラマDEEP「肝臓を奪われた妻」
日本テレビ系
火曜 深夜0:24~0:54
※TVer、Huluで見逃し配信あり

取材・文/K・T(日本テレビ担当) 撮影/蓮尾美智子

© 株式会社東京ニュース通信社