【日テレの福利厚生は?】離職率1%! 事実婚パートナーにも祝い金、Hulu利用料補助など充実、気になる年収も!

2023年こそ、テレビ朝日に1位の座を明け渡してしまったものの、それまで民放12年連続で個人視聴率「三冠」を果たしてきた日テレ。民間テレビ放送の草分けといわれ、多くの名物番組を生み出してきました。

映画鑑賞、スパ、マッサージ…多彩な利用料補助、社内には診療所も

日テレの福利厚生制度は非常に充実しています。代表例が「日テレジョイセレクト」という福利厚生カフェテリアプラン。年間単位で付与されるポイントを多彩なメニューに利用できます。

【クリエイティブアシスト】

・演劇、映画鑑賞、スポーツ観戦

・日テレグループ社サービス利用料(ティップネス、Huluなど)
・書籍、CD、DVDなど購入費
【リフレッシュ】
・美容院 ・マッサージ、整体、スパ ・スポーツジム ・旅行補助
【自己啓発】
・通信教育 ・語学スクール ・各種資格取得講座
【ライフサポート】
・託児施設/ベビーシッター利用費 ・介護施設/介護ヘルパー利用費
・定期健診オプション ・カウンセリング

出所:日本テレビ放送網「採用サイト」より編集部作成

クリエイティブな発想が重要なテレビ局ならではの演劇・映画鑑賞、スポーツ観戦、グループ会社のティップネスやHuluのサービス利用料補助などをはじめ、通信教育や語学スクール、資格取得講座の利用料補助もあり、磨いたスキルを仕事に活かせそうです。ほかにも託児施設や介護ヘルパー、定期健診のオプション利用の自己負担料補助など多様なサポートが受けられます。

さらに財産形成に関するサポートもあります。育児や教育、看護、介護などに利用できるライフサポート貸付制度、一定額まで利子が非課税になる財形貯蓄制度のほか、日本テレビホールディングスの株式を毎月定額で買い続ける日本テレビ従業員持株会もあり、拠出金に会社からの奨励金が上乗せされる手厚い仕組みです。制度対象を連結子会社などにも拡大し、開局70周年を記念し70株が配布されました。

働きやすさを支える社内環境も整備されています。富士山を望める本社17階にある社員食堂では、ティップネスとのコラボメニューを提供。花粉症対策や冷え予防など、健康に配慮したコンセプトの献立が登場することも。

コミュニケーションを促進するイベントも豊富。例えば社内ウオーキングバトルでは、グループ会社のアプリ「スポーツタウンWALKER」を利用して個人や部署対抗で歩数を競います。参加率も高く、楽しみながら健康づくりをサポートする一石二鳥の取り組みといえそうです。

育休復帰率100%! 育児時短は小6まで、休職制度で学ぶ女子アナも

多様な価値観を尊重するダイバーシティ経営の推進に多くの企業が取り組みを強化していますが、日テレはその先陣を切っているともいえそうです。一例として、同性間のパートナーに異性間の結婚と同様の祝い金を支給するほか、特別有給休暇を取得できる制度や、特別養子縁組の養子の育休や育児時短制度があります。

社員は男女とも、子どもが2歳になるまでの育児休業、小学6年修了時までの育児時短勤務が認められており、育休復帰率は100%、男性社員の育児休業等取得率は65%です(2022年度実績)。

また特筆すべき人事制度の一つにキャリアサポート休職制度があります。資格取得や留学、パートナーの転勤帯同などで得た知識、経験を仕事に活かすため最長3年間の休職が可能です。現在、岩本乃蒼アナウンサーが取得しており、大学院で防災について学んでいるそうです。

50歳年収1360万円、新卒初任給30万円、中途採用も積極化

日本テレビホールディングスの平均給与は約1360万円ですが、これはホールディングス所属社員201名(平均年齢48歳)のデータです(2023年3月末時点)。主要子会社である日本テレビ放送網(日テレ)では、新卒総合職の初任給は月給30万円(職務手当6万円含む)、定期昇給年1回、賞与年4回となっています。

近年は中途採用も増加、正社員に占める中途採用者の割合は2019年度の20%から2022年度には44%にまで急上昇。なお日テレでは2004年に民放キー局では先がけとなる確定拠出型年金制度(企業型DC)を導入。平均勤続年数は16.8年、離職率は何と1%(2022年度、日本テレビ放送網)となっています。

有給休暇取得率は平均よりやや低めだが、休暇の積立制度あり

日テレの勤務環境は1日9時間(休憩1時間含む)のフレックスタイム制。時間外勤務、休日勤務ありの完全週休2日制です。テレビ局という仕事柄、ハードな業務環境が想像されますが、有給休暇取得率は総合職社員43.4%、職種別社員53.4%(2022年度実績)。同年度の厚生労働省における調査では58.3%ですので、平均より若干低めとは言えそうです。

ただし、日テレには使い切れなかった有給休暇を積み立てておける「プール休暇」という制度や休日取得奨励日の設定など、有給休暇を取りやすくする仕組み(ホリデー24)があります。コロナ禍以降もテレワークを恒常的に導入、テレワークに必要な物品購入費は最大7万2000円まで支給されます。

ワーク・ライフ・バランスが重視されつつある昨今、残業時間についても変わってきているようです。例えば、子会社の制作会社・日テレWandsの採用募集からは月20時間程度と労働環境の整備が進んでいる様子がうかがえます。とはいえ、制作などのクリエイティブ職は特に撮影や編集の追い込み期もあるため、これをゼロにすることは難しいのかもしれません。

多様な施策がモチベーションアップと働き方改革につながる

多様な施策は働き方改革にもつながっています。番組制作の効率化にも貢献しており、例えばスポーツ番組では、AIシステム活用によるスコアデータ自動入力など省力化も推進中です。

日本テレビホールディングスはアニメ「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」などのヒットもあり、2024年3月期連結業績は売上高4360億円(前年同期比5.3%増)、当期純利益370億円(同8.6%増)の増収増益を見込んでいます。メディア・コンテンツ事業が売上と営業利益の9割を占めますが、主力の広告収入、番組販売収入は減少傾向にあり、IP(知的財産)ビジネスへのより一層の注力など多角化が急務です。

中期経営計画(2022~2024年)において1000億円の新規投資枠を掲げ、2023年10月にアニメ制作会社「スタジオジブリ」を100億円で買収しました。演劇舞台やジブリパークの拡張などを進め、コンテンツをフル活用し収益化を推し進めています。

あらゆるコンテンツを有効活用し、テレビ、ネット、リアルを融合した価値創造を進めるには人が資本です。多様な施策が社員のモチベーションアップにつながることが期待されます。

Finasee編集部

「インベストメント・チェーンの高度化を促し、Financial Well-Beingの実現に貢献」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAやiDeCo、企業型DCといった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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