英財政赤字、昨年度は公式予測上回る スナク政権に痛手

[ロンドン 23日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が23日発表した2023/24年度(4─3月)の国有銀行を除く公的部門純借入額(財政赤字)は1207億ポンド(1490億ドル)と、公式予測を66億ポンド(81億ドル)上回った。

年内に予想される総選挙を控えて減税を発表していたスナク政権には痛手となった。

財政赤字は国内総生産(GDP)比で4.4%。前年度比で76億ポンド減少したが、予算責任局(OBR)は先月、財政赤字を1141億ポンド、GDP比4.2%と予測していた。

世論調査では与党・保守党が野党・労働党に大きく水をあけられている。ハント財務相は先月、減税を発表した。

パンテオン・マクロエコノミクスの英国担当チーフエコノミスト、ロブ・ウッド氏は「(財政赤字は)予想を上回ったが、財務相は10月か11月と予想される総選挙の前に再び減税を実施するだろう」とし「総選挙でどの政党が勝利しても、次期政権は財政均衡のため少なくとも一部で増税を迫られる」と述べた。

英国債管理庁は財政収支の発表を受け、24/25年度の国債発行予定額を124億ポンド増額し2777億ポンドとした。中央政府の23/24年度の純現金必要額が予測を100億ポンド近く上回ったとしている。

3月の財政赤字は119億4000万ポンド(147億4000万ドル)と、ロイターがまとめた市場予想の中央値(102億ポンド)を上回った。

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