懲役18年を求刑 ネパール女性殺害で被告に 群馬・前橋地裁公判

 2022年11月に群馬県伊勢崎市でネパール人女性を殺害したとして、殺人の罪に問われた同国籍男で同市の会社員(39)の裁判員裁判の論告求刑公判が22日、前橋地裁(橋本健裁判長)であった。検察側は「残忍で理不尽」として懲役18年を求刑し、結審した。

 検察側は、被害女性の夫への怒りから、何の落ち度もない女性を、骨が折れて、包丁の刃が欠けるほど強烈な力でめった刺しにしたと指摘。酒癖の悪さでたびたび問題を起こし、会社員の男も自覚していたため、当時酒に酔っていた点は酌むべき事情にはならないとした。被害者参加弁護士は「死刑でも軽い」と述べた。

 弁護側は「飲酒しなければ犯行に至らなかった。目上の知人から女性の夫の悪口を聞かされて怒りを刷り込まれた可能性もある。長期収監は妥当ではない」と寛大な判決を求めた。

 論告によると、22年11月16日午後11時ごろ、女性の顔や胸、腹、背中を包丁で多数回刺し、殺害したとされる。

© 株式会社上毛新聞社