テムザック、耕起アタッチメント搭載の多機能農業ロボット「雷鳥2号」発表

by ドローンジャーナル編集部

2024年4月4日、テムザックは、耕起アタッチメントを搭載した新型多機能型農業ロボット「雷鳥2号」(耕起アタッチメント搭載)(以下、新型雷鳥2号)を開発したことを発表した。アタッチメントを付け替えることで耕起や収穫などを完全電動で行うことができる。

同ロボットは比較的小型で、前後や横移動、その場旋廻などの小回りが利くため、不整形地や小規模圃場などの条件不利農地でも活用が可能。完全自律走行モデルも開発予定だという。

同社は、ロボット技術を活用して省力化を追求する「WORKROID農業」プロジェクトに取り組んでいる。2年目となる2024年は、新型雷鳥2号を皮切りに、農業ワークロイドを順次開発・投入するとしている。

新型「雷鳥2号」(耕起アタッチメント搭載)について

新型雷鳥2号は、各種アタッチメントを付け替えることで、耕起、収穫等を完全電動で行うことができる多機能型農業ロボット。

バッテリーによるモーター駆動で走行し、4輪をそれぞれ動作させた前後移動・横移動・その場旋廻といった動きが可能で、小回りが利くため条件不利地にも対応する。小型のため軽トラックに積載可能。

将来的には、完全自律走行および群れ化によるさらなる省力化を目指す。

【スペック】

雷鳥2号 本体

耕起アタッチメント

テムザックは、ロボット技術を活用して農業課題を解決するため、宮崎県延岡市および北浦農業公社との連携協定に基づき、2023年春より、農業経験のない人でも取り組める省力化農業を “WORKROID農業” として、米粉用米の水稲直播栽培を開始。

初年度は、雑草防除ロボット雷鳥1号を開発・投入、ドローンによる播種作業の実施、水管理システムの運用などを実践。さらに、雷鳥3号による害獣追い払いの検証、雷鳥2号による収穫テストなど、米作りに関する工程の省力化に取り組んだ。その結果、既存農業と比べて労働時間を大幅に削減し、800kg弱(24aの圃場)を収穫することができた。

収穫した米は米粉化して「雷粉」の名称で食品業者・飲食店へ提供し、6次産業化の仕組みづくりにも取り組んでいる。

同社は今後、農業ワークロイドを順次開発・投入し、米粉用稲作から米粉の流通までを一気通貫で行うことができる省力化農業を確立し、全国に広めるとしている。

左上:雑草防除ロボット「雷鳥1号」、右上:多機能型農業ロボット「雷鳥2号」、左下:害獣対策ロボット「雷鳥3号」、右下:収穫した米
2024年のWORKROID農業のプラン

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