ケガで大会見送りが続くアルカラス、連覇の懸かるマドリード・オープンにも暗雲「今は何も確定的なことは言えない」<SMASH>

ケガによる大会欠場が続いている男子テニス世界ランク3位のカルロス・アルカラス(スペイン)が近況を報告。身体の状態は改善傾向にあるとしつつも、前回覇者として参戦予定のマスターズ1000大会「マドリード・オープン」(4月24日~5月5日/スペイン・マドリード/クレーコート)は、不透明な状況だと明かした。

ディフェンディングチャンピオンとして出場した3月初旬の「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ATP1000)で、殊勲の大会連覇を飾った20歳のアルカラス。しかし翌週の「マイアミ・オープン」(アメリカ・マイアミ/ATP1000)では準々決勝敗退に終わり、大会後の世界ランキングでは2位から3位へと後退していた。

今月上旬の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(モナコ・モンテカルロ/ATP1000)と、タイトル防衛を狙っていた先週の「バルセロナ・オープン」(スペイン・バルセロナ/ATP500)は、いずれも右腕の負傷を理由に欠場。すなわち、クレーシーズンに入ってからはまだ1試合もプレーしていないのだ。

スペイン・マドリードの民間通信社『Europa Press』によるとアルカラスは、両大会をスキップしたことについて次のように話している。

「モンテカルロを棄権してからは、僕にとって本当に素晴らしい大会であるバルセロナに出場できるよう全力を尽くしたが、(残念ながら)叶わなかった。プレーできなかったのは(改めて)つらいね」
気持ち的な面も含めて「状態は良くなった」というアルカラスだが、「当然プレーするだろうと思っていた」バルセロナに出られなかったこともあり、「今は何も確定的なことは言えない」と率直に語る。それでも最後には、すぐに状況が好転することを信じながら前を向いていきたいと締めくくった。

「あえて言うなら、我々は正しい道を進んでいる。同じように進んでいけば、我々はそこ(正しい場所)に到達できると信じている。もちろん、(回復までは)もう1日あった方がいいし、土曜日(の初戦)にデビューしたいけど、こういう時は成り行きにまかせるような感じになる。とにかく(今の状況に)対処しなければならない」

アルカラスのコメントを踏まえるとマドリード出場も厳しいのかもしれない。とはいえ、今はいち早く100%の状態に戻すことが最優先事項となるだろう。とにかく無理だけは避けてもらいたいものだ。

文●中村光佑

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