大島造船所がおととし、三菱重工から引き渡しを受けた香焼工場の開所式が23日行われました。1番船の引き渡しは7月に予定されています。
大島造船所の香焼工場は敷地面積およそ95万7000平方メートル。
長さ、およそ990メートルの国内最大級の建造ドッグを備えていて、おととし12月に三菱重工から引き渡しを受けました。
建屋内で船の加工や組み立てが完結でき、穀物や石炭などを運ぶ主力の「ばら積み貨物船」を効率よく建造できます。
開所式には、大島造船所のほか、県や長崎市の関係者など、約260人が出席しました。
大島造船所 平賀英一代表取締役社長 「造船業はただいま大変大きな課題を抱えております。環境対応に向けた燃料転換、中国・韓国との厳しい競争がまだ続いております。これらの課題を乗り越えて成長していくことに香焼工場は必ずや大きな役割を果たしてくれます。」
香焼工場では、国内25%のシェアを有する「ばら積み貨物船」のほか浮き桟橋などもつくる予定で、浮体式洋上風力発電事業への参入も目指すとしています。
工場では去年7月から船の建造を開始。現在およそ700人が働いていて、年間3隻から4隻の建造が予定されています。
大島造船所 平賀英一代表取締役社長 「これから、うちがどれだけ頑張るかが勝負です。環境は厳しいが、そこでベストを尽くして、長崎県の企業市民として頑張りたいと思っていますので、よろしくご支援をお願いしたいと思います。」
長崎県の基幹産業でもある造船業。
香焼工場の本格稼働により造船業が活気づくことで、地域経済への波及効果も期待されています。
大石長崎県知事 「長崎県の造船業がカーボンニュートラルに向けた潮流を捉えた業界である、基幹産業であることをしっかりと県外・国外に発信していきたいと思っています」
現在、香焼工場では1番船となる6万4000重量トン型のばら積み貨物船を建造中で、引き渡しは7月の予定です。